渋谷の地下から愛を叫ぶ
タワレコに星野源とB'z、渋谷マルイに菅田将暉、109メンズ館にDISH。日本か韓国かわからないけど、駅に向かうまでの片道だけで男性アイドルと女性アイドルのアドトラをそれぞれ2台は見た。ハチ公改札口を出るとスクランブル交差点を見下ろすように巨大モニターや巨大広告がでんでんでーん!と、その時々のアーティストやアイドルのリリース日のお知らせをしてくれる。渋谷駅近辺をすこし歩くだけでアイドルやアーティストの名前はごまんと目に飛び込んでくる。
山手線渋谷駅ハチ公改札口を出るとKis-My-Ft2・北山宏光くんの主演舞台『あんちゃん』のでかでかとしたポスターがある。そこには、1年ともう少し前に橋本くん河合くん主演舞台『コインロッカー・ベイビーズ』のポスターがまったく同じ場所に鎮座していた。そのポスター前の階段を下ると、東急東横線の乗り換え口へと続いていて、長い長い地下通路にA.B.C-Zがいた。
えびちゃんがずらっといるー!。・°°・(>_<)・°°・。@渋谷駅東横線 pic.twitter.com/OMDN13IVng
— あき (@planetofU) 2017年6月18日
柱の表裏に衣装違い、壁一面に4種類横長のえびちゃんがいるんですよ。・°°・(>_<)・°°・。人多くてなかなか撮れないけど。・°°・(>_<)・°°・。 pic.twitter.com/ZlaGM4eugG
— あき (@planetofU) 2017年6月18日
この塚田くんめっちゃかわいい フード可愛い チェック似合う〜!! pic.twitter.com/FhldpX9w9C
— あき (@planetofU) 2017年6月18日
6月18日の20時半頃、ツイッターでポスターの貼り替えを行なっていることを知り、21時過ぎに該当場所に着いたら、明らかに目的が同じであろう人たちがあちこちに散らばっていた。その証拠に、ツイッターにはいま目の前に広がっている景色と同じ風景たちを、奥行きを表現しようとしてる人、メンバーごとにまとめて載せてる人、どうにか通行人を避けたいけどうまく避けきれない人、綺麗にポスターだけを撮れてる人、撮る人によって様々な切り取られ方をしたえびちゃんたちがたくさん流れてきた。
私はたまたま渋谷にいたからすぐに立ち寄れたけど、ここにいる人たちはみんな、この約30分の間に自分と似たような経緯で此処に足を運んで来たのだと思うと、えび担が都心部に多く生息しているのか、はたまためちゃくちゃフットワークが軽いのかわからないけど、なかなかに興味深い空間だった。
突然だけど、星野源っているじゃないですか。SAKEROCKで、ドラマ逃げ恥の平匡さん役の、星野源。
私が初めて星野源の名前を耳にしたときは今から5,6年前で、なんてことない仕事合間の雑談に職場の女性が「私、星野源が好きなんだ」と言っていたことが始まりだった。顔が好きなのか音楽が好きなのか今はもう忘れてしまったけど、多分どっちもだったと思う。塩顔が好きって言ってたし。ドラマ逃げ恥もSUNもまだこの世に存在してなかったけど、そのときにはもう「星野源っていいらしい」という情報が、その人だけじゃなくて、たまたま通りすがったインターネットや、友達のなんてことないつぶやきからもちらほら触れる機会があった。テレビや映画や音楽から星野源を知らなくても、誰かの話題にこんなにも上がっているのだから、星野源は巷で人気なんだろうな、と認識していた。でも、私の中にあったのは「星野源っていいらしい」という情報までで、「星野源」本人に対するイメージは、誰かの言葉を経由してでしか持ち得ていなかった。
「星野源っていいらしい」ことはわかっていたけど、それだけの感覚で星野源のCDを買ったり、星野源を目当てに映画を観に行ったりはもちろんしなかった。ファンとは確実に呼べなくて、でも全く知らないコンテンツでもない、私がそうでないだけで既に彼はある一定の層から人気があることを知っている、なんとも距離のある存在。でも、ゼロじゃない。
気付くと私は『YELLOW DANCER』をiTunesで購入していた。星野源が紅白に出場してから、逃げ恥が始まる前の頃くらいに。
『YELLOW DANCER』は曲よりジャケットのことが先に記憶にある。なんなら最初はジャケットの印象しかなくて、あのデザインのジャケットが星野源のアルバムのものであることは大分遅れて知った。『YELLOW DANCER』のジャケットは、ネットだか街中だか、とにかく何かの折に、日常の景色として自然と私の視界に入ってきていたのだ、いつの間にか。それを私は覚えていて、あのジャケット=YELLOW DANCER=星野源のアルバム=星野源=職場の人が好きって言ってた…って、いつかの記憶が数珠繋ぎになって、気付けばiTunesの中にあのジャケットの姿があった。*1
「星野源っていいらしい」「でもまあ別に買うほどでは」な状態から、気付けばしっかりダウンロードで購入していて、でもこの間には5,6年の月日が流れている。購入してから思い出したのが、そういえば一時期『地獄でなぜ悪い』のMVを動画サイトでめちゃくちゃ見てた時期があったこと*2や、友達に誘われてアニメ映画『聖☆お兄さん』を観に行ったときのブッダの声優と主題歌が星野源だったし、その友達もがっつり星野源ファンだったことなんかが芋づる式に思い出されてきた。なんやかんや、私の日常に星野源は定期的に現れていたのだ。
渋谷駅地下の東急東横線・田園都市線通路を通る人は、間違いなくめちゃくちゃたくさんいるだろう。日曜夜でもひっきりなしに人が通っていたんだもの。何十万人もの人がポスターの前を通り過ぎるけれど、その中でポスターに写っているひとたち=A.B.C-Zだと結びつく人の割合は、正直めちゃくちゃ低いと思う。もし運良くA.B.C-Zを知っていたとしても、あの場所には入れ替わり立ち替わり新しい広告が飾られているだろうから、気付かないまま掲載期間が過ぎてしまうことだって充分にあり得る。渋谷に広告なんて、私が冒頭で挙げた名前たちよりもっとたくさん、それこそ星の数ほどあるのだから。
それでも、通勤通学ラッシュや放課後のお出かけ、仕事帰りのちょっとした寄り道、残業終わりにくったくたな体をどうにか引きずりながら、はたまた終電間際の駆け込み乗り換えだったりオール明けの早朝だったり、これから家族友達好きな人と会いに行くための通り道だったりと、あの通路を通る人たちの人の数だけある日常風景の少しの期間に、A.B.C-Zの姿がある。その事実に、ちょっぴり、だいぶ、とっても、ワクワクしている。
その人たちの中には、数年前のワーホリやtwinkleコンのポスターを見かけていたり、Reboot!!!のシブツタジャックを目撃していたかもしれない、アウデラやちゃんずーやラジオやゲストで、なんとなく耳にしたことある程度の子たちが、あのポスターが視界に留まることでやっと個体として認識されるかもしれない。もしポスターを通りがかった時は目に入ってこなくても、地上に出たタイミングでアドトラが通りがかったりしたら、なんだ今の見たことある!ってデジャヴだと勘違いしてしまうかもしれない。
私がかつて目に/耳にしていた星野源に対するなんてことない情報が、無意識のうちに自分の中で蓄積されて、何かの拍子でぱんっとはじけ、アルバムという確かな実態を自らの意思で手元に手繰り寄せたように、あの地下通路は新しい「好き」の物語が生まれる可能性をたっぷりと秘めている。知られていないってことは、これから知って好きになる可能性を大きく孕んでいるということだ。私は今のA.B.C-Zを好きだから、「売れて欲しい」「もっと大きくなって欲しい」という気待ちはさほど持ち得ておらず*3、でもA.B.C-Zを好きになるのってとっても楽しくてとっても幸せなことだから、ひとりでもその幸せを体感できる人が増えるのは、世界環境的にも喜ばしいことだなあと心から思う。
他のジャニーズグループと比較してしまうと、A.B.C-Zはリリースのたびに必ず大きな広告を打たれてきたわけじゃない。けれどジャニーズの外の世界では、どんなに優良なコンテンツでも、陽の目を浴びられないまま消えていくものたちは、多分結構随分、ある。
兎にも角にも、このリリース期間にめちゃくちゃビジュアルの仕上がったA.B.C-Zの皆さんたちが、なんの所縁もない方達の日常に混ざり込む機会を与えられたいまという時間に、たまらなく気分が高揚する。ポスターを見て、今すぐアルバム購入に至るのは難しいかもしれないけど、誰かのいつかの未来で、記憶の糸が繋がるきっかけに、あの地下通路の景色があるかもしれない。
私にとってA.B.C-Zは最新の今が一番かっこいい人たちだけれど、今この瞬間はただ通り過ぎるだけだった人たちの中にが、今よりもっともっとかっこよくなったA.B.C-Zに恋をして、「そういえばあのときの…!」ってドラマティックな運命に胸をときめかせる未来を想像する。その未来は来年再来年、5年後10年後かもしれないし、明日や今日、1時間後や5分後かもしれない。リリースって、知らない新しい世界に飛び出すのって、ドキドキワクワクするね。夏はもうすぐだ。
塚田くん、初主演映画!!!!!
\💪塚田僚一(A.B.C-Z)初主演映画!Snow Man(ジャニーズJr.)共演!💪/
— 映画『ラスト・ホールド!』公式 (@lasthold_movie) 2017年6月12日
塚ちゃんがボルダリングでオリンピックを目指す!?映画「ラスト・ホールド!」の製作が決定!2018年公開予定です。お楽しみに✨https://t.co/cUMStqNQLQ #ラストホールド pic.twitter.com/uDUrjQR8Ds
塚田僚一さん、初主演映画決定おめでとうございます!!!!
おめでとう~~塚田くんおめでとうだよ~~~(´;ω;`)念願のオリンピックに新しい道でまた一歩近づけたね(´;ω;`)
去年は初座長発表、今年に初座長公演。同じく今年に初主演映画発表、そして来年に初主演映画公開。塚田くん(´;ω;`)こんなにたくさんお仕事(´;ω;`)すごい(´;ω;`)いそがしい(´;ω;`)すき(´;ω;`)(´;ω;`)(´;ω;`)
撮影、公開、円盤化まで、大きな怪我やトラブルなく『ラスト・ホールド!』を無事に駆け抜けられますように!絶対観に行くよ~友達も引き連れていきます!!楽しみです!!!!
舞台『サクラパパオー』を終えて、だらだらと個人的な話をします
舞台『サクラパパオー』千秋楽、おめでとうございました!大阪で見納めしてきたよー。大阪でも、初めて観たさいたま公演のときと変わらず、すっごく素敵な舞台でした!
▽原宿駅と渋谷駅のポスター。他にもたくさん貼られてたなあ(;o;)
▽彩の国さいたま芸術劇場初日。お花たくさん!
レズリーのパパからも!アウデラの高橋さんからも!!
▽東京国際フォーラムC。さいたまにも贈っていたところから、東京公演で新しくお花を贈ってくれてたりもした…!
デルサタがさいたまよりグレードアップしてた泣ける(:o;)
▽大阪サンケイホールブリーゼ。戸塚くんも五関くんも今春立った(立つ)会場。
公的な記事は散々書き尽くしたので、ここでは思いつくままにだらだらと書いていこうと思います。読みづらかったらすみませんね。
イットランズ、ボク穴、サクラパパオーと、塚田くんに演技仕事がこんなにとんとん拍子で決まるなんて、そして観劇できるなんて夢みたいだなあ。どれもすべてパルコステージ。パルコステージに出たことのあるジャニーズの人って、SMAPのごろちしんつよ、たいぴー、錦織さんと、まだまだ少なくて、その輪の中に塚田くんがいること、そして着々と経験と実績を重ねていることを、いまいち実感しきれないというか、にわかには信じがたいというか、でも事実なんですよね、それ…すごい、すごいというぼんやりとした言葉でしかまだ言えないな…。事務所とは別の、もうひとつのホームが塚田くんに出来つつあることも。
私の舞台観劇歴=えび担なので、イットランズのときは「舞台」というもの自体がめちゃくちゃ赤の他人だったんですよね。存在は知ってるけど自分の身近にない文化だったので、敷居が高いというか。だから、共演者の福本さんの言葉にはとても救われました。
今回初めて生の演劇を観るお客さんも沢山いるだろうな。そういう方たちに「お芝居ってこんなに楽しいんだ!」って思ってもらえたら幸せ。初日を待つ静かな客席(*^_^*) pic.twitter.com/I9bGMqybqR
— 福本伸一 (@shinkorochan) 2014年9月20日
初めてでも不慣れでも、こんなに優しく迎えてくれるんだ、って。そしてイットランズという作品も、初心者にわかりやすいコメディ舞台で、身一つで劇場に足を運ぶだけで楽しめた、すごく優しい舞台だった。そんな優しい空間に塚田くんがいる、って、天国かよ~~~って両手足放り投げて大の字で寝転ぶしかないよねそんなの。
「舞台慣れしていない自分」という引け目がずっとありました。私の周りには観劇慣れしてる人が多いからそんな風に思うんだろうな。作品を観て、すごいことはわかるのに、何がどうすごいのかがわからないことにもやもやして、そのもやもやを少しでも実感で得たかった。塚田くんが立つ世界の形を全く知らないってことは、本来楽しめたはずの塚田くんの楽しい成分を自分の至らなさで取りこぼしてるって、そんな勿体ないこと出来るか!1ミリでも多く塚田くんを楽しみたい!!という気持ちから、えびやジャニタレの出演の有無にかかわらずちょこちょこ観劇に行くようになりました。
殊に『サクラパパオー』は頑張りました。頑張った、って実感が欲しかったので、頑張りました。私の中で考えうる限りの万全の体制でこの作品を観たい、とおもって、中屋敷さんの柿食う客を観て、雑誌を買って、ネットにあがったサクラパパオー関連の記事のすべてに目を通して熟読して、ダ・ヴィンチで塚田くんがおすすめしていた競馬の本を読んで、演者の皆さんも足を運んだ府中競馬場にも行って、まったくの未知数だった競馬の世界に触れて、どうやって楽しむのかを実感して、ブログ記事もかつてないほどたくさん書いた。おかげで舞台をめちゃくちゃ楽しむことが出来ました。やってよかった。そして、私が動いた以上に塚田くんはもっともっと勉強していたんだなあ、と考えてなんだか切なくなったりもしました。
イットランズもボク穴も、初日と千秋楽をどちらも観劇したことってまだなかったけど、今回のサクラパパオーはさいたま初日も大阪千秋楽にも行けることがわかってたから、それもあって頑張りたかったんだろうな。初座長は最初で最後、だからね。
塚田くんにこんなに素敵な演技仕事が続けて舞い込むことにもびっくりだし、塚田くんに集客力を求められる日がこんなに早く来ることもね、想定していなかったので…。やっぱり、ジャニーズを使う最大のメリットって、尋常じゃなく数字が動くことだと思うから。塚田担って生態が謎で、殊に現場面で塚田くんにガッツリ!って人の割合は他担に比べると少な目で(※個人の見解です)、だから換気がいいし他担も気軽にさわりやすいってメリットがあるんだろうけど、「ジャニーズ」「主演」「大劇場」って肩書が並ぶとなると、もう~~~いやあね!!怖かったね!!!幕が開いたら作品がよすぎてそんな不安は消し飛んだんだけど、それでもね、さいたま彩の国ではきょどきょどしながら後ろを振り返ったんだあ。集客がどうこうなんて客の領域じゃない、ってわかってるのに、やっぱりおたくはそういうところ、気になってしまうものですね。だから、東京公演最終日の国際フォーラムC、スタンディングオベーションの中後ろを振り返ったら、東京初日には前列くらいしか埋まってなかった二階にたくさん人がいて、三階席にも人がいるのが見えて、泣きそうになった。塚田くんだけのおかげじゃないし、塚田くんのファンが埋めたとも思ってないし、塚田くんのファンが少なかったわけでもなくて、どんな人が埋めてようがなんだろうが、素晴らしい作品の一回の公演をたくさんの人が目撃していた、その事実に感動した。そんな景色を塚田くんが見ることが出来てよかった。
スペシャルカーテンコールのキャスト紹介のときに、演者の皆さんが「塚田僚一です!」ってY字バランスをしてくれたんです。そこもね、内心おたく心に複雑な部分があったんですけど*1、それでも、すべての劇場で塚田くんが0番に立って、演者を代表して挨拶の言葉を述べる。その姿だけで感動なのに、たどたどしかったり段階をすっとばしたりする塚田くんの言葉を、皆さんが体をちょっと前のめりにして見守りながら聞いていたのが、カンパニーに温かく見守られて許されて、その温かさに背中を押されながら0番に立ち続けた塚田くん、という絵面が、塚田くんが初座長を務めたサクラパパオーのカンパニーの象徴なんだと思うと、ねえ、泣くよね。カーテンコール本当泣ける。作品も泣けたけど、塚田くんのおたくの涙はカーテンコールでもこぼれおちました。作品そのものだった。あったかくて優しくて、許されていた。私の中で、許すことと愛することはイコールです。塚田くんと塚田くんを取り巻く世界の、奇跡みたいな人の好さに泣きました。
塚田担ってえび担の中でもとびぬけて統一性やまとまりや、「こう」っていうイメージが固まらない人種だと個人的には思っているんですけど*2、それでもやっぱり塚田くんという人を前にしたときばかりは、皆が塚田くんを好きで素敵で惚れてしまう、その感覚を自然と共有してしまう不思議な一体感は、インターネット上では決して味わえない、世界一平和な共有だとおもいました。塚田くんという大きな存在を前にすると、すべてを包まれてしまうんだなあ。
作品自体は日替わり小ネタがほぼなく、どの公演に入っても安定感のある舞台だったのですが、これは私がその日にマチソワしてたら前公演との比較がしやすかったのと、自分も客席も千秋楽だぞ!って前のめりの気持ちが絶対にあったからだと思うのですが。個人的に、大阪千秋楽の第4レースがめちゃくちゃ熱かった。
埼玉東京大阪と観てきて、サクラパパオーはテンションやクオリティに波のない安定した舞台だなあという感想なんだけど、自分の思い入れもプラスして、第4レースの熱さは千秋楽が一番好きだった…オンマイクの実況の隙間から地声で今日子ちゃんの「行けー!」が聞こえたときにぶわわっときたぁ…
— あき@現場メモ (@_akintbre) 2017年5月26日
第4レースが終わると皆は「さよなら」と残して自分たちの生活に戻っていきます。これは一夜限りの出会いとその場限りの熱量を共有した奇跡の話だから。それはこの作品が終わってしまう、もう観れなくなってしまうこととリンクしていて。だからかなあ、本当にね、すっごく熱かった、あの日の第4レースは。見る側の意識が強かったのだとしても、それが演る側にまったく反映されない、なんてことはないと思うから。舞台は生き物ですしね。あの日の一体感は、台詞や演出には出ていなくても、やっぱりとびきりの熱量だったように思います。個人の意見です。
各会場で最後に舞台上に立つのは塚田くんでした。遠方から近場から来てくださったひとのこと、“初”座長は今回限りしかないないこと*3、その初座長公演が『サクラパパオー』でよかったという感謝、数ある役者やアイドルの中から自分を選んでくれて光栄だった、「初座長」の肩書は最初はプレッシャーだったけど、稽古をしていくうちに「本当に楽しい舞台だから、早くみんなに観てもらいたい!」という気持ちが緊張を追い抜かしていったこと、なんかを、そのときにはもう全然田原くんじゃなくて、A.B.C-Zの塚田僚一くんとして話していた姿は忘れられません。
千秋楽公演での挨拶で塚田くんは、“次回”のサクラパパオーの話をしていました。再演の予定は現状なんにも決まってないんだけど、でも塚田くんの中ではサクラパパオーの「次」が確かに存在していた。私も、この作品は絶対にまた上演される、ってさいたま初日を観たときに勝手に確信していたから、千秋楽で塚田くんも同じ気持ちでいたことがわかってとても嬉しかった。初座長の喜びや感謝を噛み締めながらも、塚田くんの気持ちはもう前へ、次へと向かっていることがわかって頼もしかった。
実際に千秋楽公演を終えた塚田くんは、多分夜のうちに大阪から名古屋へ移動を済ませ、翌朝6時にはデルサタに出演して生放送のお仕事をしていた。私が大阪でサクラパパオーよかったねえって美味しいご飯と美味しいお酒を飲みながら友達と話して大阪のホテルで眠っている間にも、同じ量だけの時間を過ごしているのが嘘みたいな速度で、塚田くんの時間は先へ前へと進んでいた。塚田くんにとってそんな生活はもう当たり前なんだと思うと、なんて強くてかっこいい人なんだろう、と惚れ直すしかない。
塚田くんと塚田担は一足先に上半期に区切りがついたので、これからは夏のコンサートや秋にあるであろうえび座、グループ活動へと気持ちをシフトさせていくことと思われます。
明日のMステではアルバムリード曲『テレパシーOne!Two!』が地上波で初お披露目されます。田原くんのために染めた髪色は元の金髪に戻るんでしょうか。戻っても戻らなくても今年のサクラパパオーは終わってしまって、これからは最新の一番かっこいいA.B.C-Zの塚田僚一くんのパフォーマンスを見せてくれるんだと思うと、寂しさと楽しさと、でもすぐに楽しさが寂しさを覆ってくれるんだろうな。また塚田くんに幸せにしてもらいにいこうと思います!夏が楽しみだなー!
舞台『サクラパパオー』 塚田僚一の生命力
脚本・鈴木聡さん、演出・中屋敷法仁さん、主演・塚田僚一くん(A.B.C-Z)で上演されている、2017年版『サクラパパオー』の話を好きなように話す記事の3つ目です。
①『サクラパパオー』という作品について
akeras.hatenablog.com
②2017年版の登場人物について
中屋敷さんと塚田くんのはじまり
塚田くんと中屋敷さんといえば、2014年に少年隊・錦織一清さんが主演を務めた『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー~パパと呼ばないで~』に塚田くんが錦織さんの息子役で出演した際のこの記事が、2人を繋いだ一番最初の記事でした。
3年前のこの記事で中屋敷さんは、この作品がデビュー後初めての外部舞台出演だった塚田くんの話題に触れています。
塚田僚一くんはまったく初めてこういう世界に出会った感じですが、その彼に対して皆さんの演技が丁寧に作り込まれていくので…塚田くんなりの喜劇のスタイルが生まれてきているようにも感じました。
『イット・ランズ~』は元々、レズリーとデイビットが父子関係であることを隠すための嘘から始まるお話なのですが、登場人物としても出演者としても、レズリーと塚田くんは作品中の最年少でした。自分がデイビットの隠し子であることも、それを隠すために嘘が嘘を呼んで周りが大変なことになっていることも、何も事実を理解していない18歳のレズリーと、ジャニーズアイドルという特殊な畑からやってきた塚田くん。2人の境遇は絶妙にリンクしており、中屋敷さんはその関連性を見事に見抜いていたのです。*1
座長のスタイルとして、皆の先頭に立って引っ張っていくタイプと、皆に支えて貰いながら形を固めていくタイプのおおよそ2つに分かれると聞きますが、塚田くんは圧倒的に後者のタイプです。
そんな塚田くんの性質を2014年時点で既に目撃していた中屋敷さん。同じ記事で「喜劇は絶対にやらないって決めているんです。怖すぎて。」「もう少し勇気が出たらいつかやりたいとは思いますけど……まだまだ先の話ですね(笑)。」とお話されていたのが、まさか3年後に塚田くん主演でコメディ作品を上演することになったのも、素敵なご縁だなあと思います。
中屋敷さんから見る塚田くん
【速報!】パルコ・プロデュース「サクラパパオー」(作:鈴木聡 演出」中屋敷法仁 出演:塚田僚一(A.B.C-Z) 他)、4月彩の国さいたま芸術劇場、5月東京国際フォーラム ホールCにて上演決定! https://t.co/L6Gu9cyu2E #サクラパパオー
— PARCO STAGE (@parcostage) 2016年12月12日
サクラパパオーの仮チラシ!!黄色×緑で可愛いーーー!!! pic.twitter.com/wUd7TzWw6S
— あき (@planetofU) 2016年12月28日
1つ目が『サクラパパオー』の上演が決定した第一報。2つ目は、一番最初の仮チラシです。第一報で発表された情報は「サクラパパオー」「脚本・鈴木聡」「演出・中屋敷法仁」「主演・塚田僚一(A.B.C-Z)」、そして「上演日程と劇場」。
インタビュー記事を読むからに今回の上演は「演出が中屋敷さん」「鈴木聡さんの脚本からの再演」であることがまず先頭に立っていると推測されます。鈴木聡作品の中からサクラパパオーを選んだのは、パルコ側ではなく中屋敷さん自身の意思。塚田くんの名前はパルコ側から挙がったのか中屋敷さんから挙がったのか定かではありませんが、兎にも角にも、第一報に鈴木聡さん、中屋敷さんと並んで塚田くんの名前があったことは揺るぎない事実です。
稽古前の段階で既に中屋敷さんの中には「演者を動かす」プランが想定されていました。先の記事に「塚田さんはとにかく体力がありますからね。ただ椅子に座って会話するだけではおさまらない気がするので。」とあるように、塚田くん=体力の関連はこの時点で繋がっていて、中屋敷さんの『サクラパパオー』の演出プランの中には、そこも狙いだったのか、それともたまたまハマっただけなのか、塚田くんの特性が自然と溶け込んでいました。
パルコステージと塚田くんの身体性
デビュー後初めての外部舞台、2014年『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』。初めての主演で二人芝居、2016年『ボクの穴、彼の穴。』。そして今年の初単独主演初座長、2017年『サクラパパオー』と、パルコステージの舞台に立つのが3作品目になります。
昨年春にパルコ劇場で上演された『ボクの穴、彼の穴。』は、死と隣り合わせである戦場、身体の動きが制限された塹壕の中で暮らす2人の兵士の独白でストーリーが進んでいきます。演出はノゾエ征爾さん。ボク穴の話はこちらでしております。
『ボクの穴、彼の穴。』と『サクラパパオー』の塚田くんは、真逆のアプローチ方法で各作品の世界観を表現しています。
『ボク穴』は上演発表から公演初日、そして千秋楽を迎えるまでの期間が2ヶ月もなかった、とてもハイスピードな作品でした。全8公演、劇場はパルコ劇場のみで地方公演はなし。パルコ劇場の客席数は458席。単純に計算するとして458席×8公演=3664人と、日程の調節も含めて、観たい人が絶対必ず観れる舞台ではありませんでした。作品上の設定も、死の恐怖に追い詰められ、精神的に狂っていく2人の兵士の様を描いており、作品としても観劇環境としても、観る人を選ぶ閉塞的な空間の中、執り行われた舞台でした。
打って変わって『サクラパパオー』はコメディ、喜劇です。大きな劇場で出演者もパルコステージ経験者が多く、殆どどの公演もコンビニや当日劇場でさくっとチケットが購入出来て、ファン以外の人にも観劇初心者にもやさしいハードル設定で、ボク穴とは打って変わって、外に向けて広く門を開けた開放的な作品です。観劇環境と同じく作品中の塚田くんも、『ボク穴』の狭い劇場で息を詰め、針穴に糸を通す様まで目に入ってくるような、視野を窄めて一挙手一頭足まで注視するような作品ではなく、塚田くんが主演であることを思わず忘れてしまうような、舞台上をあっちこっちと大きく移動するバラエティに富んだ各キャラクターを、広い視界で満遍なく楽しめる作品になっています。
ノゾエさんは塚田くんの体の自由さをギュッと押し込めることでそこから漏れ出るものを大事にしてくれて、中屋敷さんは塚田くんの生命力をどこまでも開け放つことでエネルギーのでっかさを尊重してくれて、真逆のアプローチなのにどちらも塚田くんの良さがこれでもかってくらい発揮されてておたく感無量
— あき@現場メモ (@_akintbre) 2017年4月27日
サクラパパオーの上演にあたって中屋敷さんがどこまで過去の塚田くんの仕事を深堀りしたのかわかりませんが、パルコステージで上演された各作品は塚田くんを見せる角度がどれも違っているんです。
ジャニーズ初のSASUKE出演を果たすほど、非常に優れた身体能力を持つ塚田くんを、ノゾエさんは戦場、塹壕の中という心身ともに強い制限の中にぎゅっと閉じ込めることで、表情、声、身体を使って、より人間の本質に迫るものを表現し、中屋敷さんは、大劇場の舞台上を塚田くんに走り回らせることで、作品の喜劇性だけではなく、他の出演者の躍動感をも煽っていきました。
ボク穴が「陰」なら、サクラパパオーは間違いなく「陽」の舞台です。
塚田くんは主演ではありませんが、誰よりも先に塚田くんを演劇空間へと誘い、塚田くんの身体能力をお芝居の中で用いたのが、『イットランズ』。劇中、レズリーは喜びのあまり側宙するシーンがあったのですが、塚田くんにお芝居としてレズリーにアクロバットをするように推したのは、同作主演であり同事務所の大先輩である少年隊・錦織さんでした。「折角の武器なんだから見せていかないと」という錦織さんの助言があり、作品を通して塚田くんの武器をお披露目出来、そしてその稽古と作品を観ていた中屋敷さんが、3年の時を経て再び塚田くんに演技表現としての「アクロバット」を見せる機会を与えてくれました。*2
初めての舞台で「陽」、二度目の初主演舞台で「陰」、三度目の初単独座長舞台でまた「陽」と、オセロがころころと裏返っていくように、塚田くんの白と黒を交互に見せてくれるパルコステージ。
ノゾエさんも中屋敷さんも、パルコステージから「新進気鋭」の謳い文句を掲げられている、未来を期待されている演出家さんです。実力は十分に評価されている、あとは羽ばたけるか否か、そんな2人が一段上のステージへ昇る足掛かりとなる作品に、塚田くんが主演として二度も選ばれたことを、本当に本当に光栄に思います。
イットランズでの錦織さんの言葉でもう一つ。東京千秋楽の挨拶で錦織さんは、塚田くんのことを「本当に惚れ惚れする男。(観客だけじゃなくて)出演者にも感動をくれる」と話してくれました。塚田くん、観に来てくれるお客さんだけじゃなくて、同じ空間の近い距離で同じ仕事に取り組んでいる出演者の方にも感動を与えてくれるんですって。いやもう、もうすんごいそれ!!!(大の字)
稽古場で昨日まで出来ていたことが次の日になるとまったくできなくなっていたり*3、数時間前までSASUKEに挑戦していたのが嘘のように千秋楽の舞台に立っていたり*4、劇中は詰まることなく進んでいたのにカーテンコールになるとたじたじになってしまったり*5、塚田くんって本当に面白い人です。言うてしまえば危なっかしいんですけど、でもそれが、マイナスの位置でとどまらずに、プラスの位置にまでぐーんと押しあがっちゃうんですよね。塚田くんがそこにいることで、塚田くんを目にするお客さんだけでなく、その場にいる共演者の心まで動かしてしまう、立場を選ばずに他人を動かしてしまう力が、塚田くんの生命力なんだと私は思います。
塚田くんは俳優でもない歌手でもない、演技もするし歌って踊って、バラエティにもSASUKEにも出ちゃう、アイドルなんです。
そんな塚田くんの個人的な最新名言。今はもう公開が終わってしまったんですけど、ジャニーズウェブの期間限定連載『塚打塚助』に書かれていたこの言葉。
アイドルというものは生き様であると私は思う
アイドル・塚田僚一くんの生き様を、これからも見届けていきたいです。
長々と頂きお付き合い、ありがとうございました!
舞台『サクラパパオー』 勝手に登場人物紹介
前回は作品の話をしたので、今回は2017年版『サクラパパオー』の登場人物たちの話をしていこうと思います。
ちなみに演出の中屋敷さんは過去の上演を映像では見ずに、サクラパパオーの脚本やラッパ屋の他作品を読み込むことで、鈴木聡さんがラッパ屋の誰に向けてこの台詞を書いたかなど、文字から脚本の意図を探っていったそうなので、過去の上演とは随分と違った仕上がりになっていると思われます。
ここでは2017年版を観劇した身として、2017年のサクラパパオーについて、役者と俳優以外の所属場所、ビジュアルの【特徴】、中屋敷演出の【役柄】、役それぞれ異なる【競馬スタイル】といった観点から、どうしても主観になってしまうのですが、記録がてら紹介させて頂こうと思います。
田原 俊夫(塚田 僚一:ジャニーズアイドル・A.B.C-Z)
岡部 今日子(黒川 智花)
ヘレン(中島 亜梨沙:元宝塚娘役)
的場 博美(片桐 仁:芸人・ラーメンズ)
井崎 修(伊藤 正之)
菅原 幸子(広岡 由里子)
柴田 達(木村 靖司:劇団「ラッパ屋」)*1
横山 一郎(市川 しんぺー)
杉本 敬三(永島 敬三:劇団「柿食う客」)*2
- 田原・今日子の「婚約者」コンビ
- 柴田・横山の「競馬の闇」コンビ
- 田原・サムくん・的場の「競馬に大熱中」トリオ
- ヘレン・幸子の「女の郷」コンビ
新しい宝箱の中身が出来ました
塚田くんが!Defiledに!青山DDDクロスシアターに!きたーーーー!!!*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
サクラパパオーの稽古とさいたま公演があるから、観劇に来るならさいたま公演後で、見つかりたがりなとこあるからGW期間中に来そう〜と思ってたら、早々初日に来た!しかも、青山にチャリで!!!!笑笑 塚田くん、一枚も二枚も想像の斜め上をいくなあ〜〜好き!!
普段はコンビ話とか都市伝説の領域はここではなるべく干渉しないように気をつけてるんですが、こればっかりは特別。今までにない形のツカツカ、プライベートじゃなくて、仕事で通じ合うツカツカを見れた。う、うれしーーい!!*1
その嬉しさを今この瞬間に、書きとめておこうと思います!
今年の戸塚くんの個人外部舞台は、例年の脚本・つかこうへい×演出・錦織一清の舞台から離れ、元の脚本が外国作品である『Defiled』、俳優の勝村政信さんと2人芝居に挑戦しています。2人芝居といえば、A.B.C-Z内では昨年塚田くんの『ボクの穴、彼の穴。』に続いてA.B.C-Zでは2人目の経験になります。
この『ボクの穴、彼の穴。』と戸塚くんに関しては個人的に2つの重要エピソードがあって、今もJohnny's webで連載が続いている戸塚くん企画「伝打伝助」にて、ボク穴を観劇した戸塚くんが“嫉妬してる”と記したこと。そしてもう1つは、ボク穴と同じ期間東京・新橋演舞場で戸塚くんは『寝盗られ宗介』の主演・座長を務めていたにも関わらず、その期間中に2人で食事に行ったことです。
伝「それはそうと塚田さんの芝居はどうだったの?」
戸「え?どうだったのって?最高!!!これ以外に言いようあるかな?逆に俺が観た方に聞いてみたいな。どうでしたか?って。俺はね、最高!!!コレだね。あの作品を引き当てた塚田の運というか、持って生まれたタイミングというか、芝居もとても心に響く演技だったし、もうね、最高だよ!これしか言えないよ伝さん!俺が嫉妬したくらいだもんさ(笑)」ーー2016.05.26.「伝打伝助」
私は塚田担なので、塚田くんに纏わるエピソードには努めて目を通すようにしてきていますが、戸塚担ではないので、戸塚くんの発言に関してはあまりアンテナを張りきれておらず、確信を持った解釈は出来ないんですけど。
戸塚くんが仕事の領域で、塚田くんに対してこの手の類の感情を向けるのって、ものすごく珍しいなあ、って思いまして。
戸塚くんが塚田くんにかけるちょっかいは小学生男子のそれだし、塚田くんに向ける心配はモンペのオタクかよ*2ってやつだから、嫉妬、って単語が出てきたことに目ん玉飛び出すかと思ったんですよね。
戸塚くんは文字で饒舌な人という印象で、かといってその文字が真実を記しているのか、はたまたジョークなのか、戸塚担ではない私にはその境界を測りかねるんですけれど。真実だと受け取るならばそれは、衝撃的なことだったんですよ、私にとって。
塚田くん、ボク穴の会見でこんなことを話してたんです。
「A.B.C-Zはそれぞれに主演の経験があって、僕は後を追いかけている気持ち」と続け、メンバーに向けて「どうだメンバーのみんな! 二人芝居やってるよ!」と胸を張って笑顔を見せた。ーーシアターガイド
今までの経験上、ジャニーズグループ内でメンバーに演技班とバラエティ班が出てくるのは自然のものとして受け取っていたので、塚田くんはバラエティで活躍してる人だから、と思って、主演の看板について意識を向けることって私は殆どしてこなかったんですけど、塚田くんはそうじゃなかった。遅れをとってる、って思ってたんです。知らなかった、塚田くんがそのことを意識していたなんて。そしてそれを口に出したのが、初主演舞台の会見の場、みんなにやっと追いつけたと思えたタイミングで初めて言葉にして発信した姿に、熱いものがこみ上げました。
そして私は塚田くんのこの言葉に、グループで誰よりも先にバラエティ番組にレギュラー出演を果たし*3、グループで唯一バレーボールのスペシャルサポーターに選ばれ*4、グループで初めて単独外部主演舞台を務めた、戸塚くんの存在が頭の中を占めて離れませんでした。
戸塚くんのこともわからなければ、もちろん塚田くんの真意なんて知る由もなく。ただとにかく、塚田くんは口に出さない言葉にこそ真実が多く含まれてる人だと思っています。
健人くんが映画『銀の匙』に主演することが決まったことをプライベートの沖縄旅行中に知って「俺は何をやっているんだ」と落ち込んだことのある塚田くん*5が、メンバーで唯一の同じ歳、入所に関してはちょっとだけ後輩にあたる戸塚くんの仕事に対して、まったくの無関心や綺麗な心だけでいられる訳はきっとないんです。
塚田くんと戸塚くんって真逆なタイプだなあと常々思います。
戸塚くんは好きなものがどんどん仕事に繋がるし、後輩からの人気も厚く、自分の内側をどんどん深く掘り進めていく求心性の強い人で、一方塚田くんは外側に向けてバンバンエネルギーを放つタイプで、他人を自分に引き寄せるというよりは、周りを自分に巻き込んでしまう遠心性の強い人。キャラクターもアプローチも正反対。
戸塚くんは塚田くんをつかこうへいさんの言葉と並べて“生命力がすごい”と塚田くんのいない場で讃え、でも塚田くんってあんまり戸塚くんを手放しに褒めるイメージがないです。デビュー前の戸塚くんの坊主事件を塚田くんは特に驚かなかったと言い、“とっつーは頑固なところがあるから想定内”と、褒めそやすより汲み取って尊重する、と言った方が近いかなあ。持ち上げもしないけど否定もしない、そしてその場で手や口を出すような真似もしません。*6
塚田くんが「みんなに追いつけた」と思ったボク穴の初日に、塚田くんと戸塚くんは2人で食事に行ったそうです。その期間、戸塚くんは喉をやられていたし、塚田くんは千秋楽日を迎える週末の早朝にSASUKEの撮影を控えていた。社会人なら手を引いておくであろうそんなタイミングに、わざわざ共有する時間を作った。きっと、そのタイミングじゃなきゃ駄目だったんです。写真集ではどっちが先に誘ったかで喧嘩してたけど、正直どっちでもいいよね、だって最終的には2人でそうしようって決めたんだから笑。でも2人にとっては、そういうくだらないところが大事なんだなあと思うと、本当に訳がわからないし、男の子の世界だなあと、呆れるような微笑ましいような羨ましいような、複雑な気持ちです。
そして今年、塚田くんが経験した2人芝居に戸塚くんが挑戦しました。どちらの作品が上とか大きいとかではなくて、タイミングだけ切り取って言えば、「2人芝居」に関しては、戸塚くんが塚田くんの後を追った形になるんです。バラエティ番組のレギュラーも、バレボールのスペシャルサポーターも、外部主演舞台も、全部を先に戸塚くんが経験していた。でも、2人芝居だけは、塚田くんの方が先にタッチしていた。
そして、塚田くんの方も。今までの塚田くん、初外部舞台のイットランズの主演は錦織さんで、初主演のボク穴はこの世に全8公演しかなかった、そして箱はどちらも総座席数458席のパルコ劇場。今年塚田くんは、初めて単独座長を務め、同時に最大座席数1502席の国際フォーラムC、大劇場を埋める責を求められました。戸塚くんは過去に『出発』、昨年『寝盗られ宗介』で総座席数1428席の新橋演舞場での公演を、座長として務め上げています。戸塚くんが既に二度見ていた景色を、塚田くんは今年初めて経験することになります。
結果主義で、大事なことは形になるまで口にしない塚田くんが、このことを口に出す日が来るかはわからないけど。お仕事上で、戸塚くんと塚田くんが追い越し追い越されな関係を築けた、今この瞬間の感動を忘れたくない。2人がどう思ってるかはわからないけれど、私にとって、宝箱に大事にしまっておきたいツカツカエピソードになりました。
ちなみに、塚田くん観劇公演での戸塚くんがカーテンコールでY字バランスしてたとのことですが、まず戸塚くん演じるハリーは絶対そんなことするキャラじゃないし、メンバーが観に来たからってそんなあからさまに個人的なアクション起こす人じゃないよね戸塚くん…?!無邪気かよ!隣の勝村さんと他のお客さんとのお仕事どこにいった!!可愛いな!!!笑
戸塚くんや他のメンバーが『サクラパパオー』を観に来るのが楽しみだなー!お付き合いありがとうございました!
舞台『サクラパパオー』 アイドルと作るファンタジーの世界
2017年4月26日、彩の国さいたま芸術劇場で舞台『サクラパパオー』初日の幕が上がりました。
『サクラパパオー』の初演は1993年、鈴木聡さんの劇団・ラッパ屋で上演され、95年に再演、01年にはパルコプロデュースが手掛け、今回は演出に中屋敷法仁さん、そして主演・座長にA.B.C-Zの塚田僚一くんを迎えての4度目の上演になります。
初日、観劇してきました。すーーーーごい楽しかった!!!目の前で繰り広げられる劇をただ受け取るだけでよくて、最後にはみんな幸せになって、気持ちよく見て気持ちよく帰れる素敵なコメディ舞台でした。
四半世紀前に書かれたとは思えないほど今尚色褪せない人間模様、時代の古さを感じさせないファンタジーな演出、どの役者さんも役そのまんまにしか見えないキャスト、オシャレで派手でポップでカラフルな舞台セット。音楽が重なる場面やモノローグではマイクが使われていますが、基本は生声!機械を通さずに演者の方の直の声で演劇を体験できました!
最高にハッピーなコメディなので、特に言及するところがないんですよね!笑 この辺の記事を読めば舞台の感想が全部出揃うし、答え合わせにもなっちゃうから、改めて書き起こすことが「楽しい」「よかった」「面白い」「幸せ」以外になんにもないです。贅沢な悩み!
塚田僚一×中島亜梨沙×黒川智花×片桐仁『サクラパパオー』稽古場座談会! - げきぴあ
本編に対しては、ただ劇場に行って座って観て楽しい!よかった!さいこー!に尽きるので、今回は自担である塚田僚一くんが主演の2017年『サクラパパオー』について、想像を交えながらの個人的な感想を書いていこうと思います。
2017年版『サクラパパオー』について
過去の『サクラパパオー』から2017年の『サクラパパオー』になっての変化は、大きく分けて3つあります。
- 小劇場から大劇場へ
- 鈴木聡さんから中屋敷法仁さんへ
- 俳優からアイドルへ
そしてこの3つを束ねてるのが、あちこちで中屋敷さんが繰り返している「ファンタジー性」です。
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小劇場から大劇場へ
サクラパパオーの初演93年の劇場は、今は閉館しているシアタートップス、座席数は約150席。再演の95年も同じくシアタートップス。パルコプロデュースになった03年にはパルコ劇場に移ったので458席。ここでいきなり3倍になっていますね。ちなみに、このパルコ劇場での『サクラパパオー』が鈴木聡さんにとって初めての商業舞台だったそうです。
そして現在公演中の彩の国さいたま芸術劇場大ホールは778席。東京公演の国際フォーラムCでは最大1502席。パルコ劇場→彩の国でも随分と拡大しているのに、今回の公演期間中のさいたま→国フォ間でも更にどどっと席数が増えます。
座席数が増えるということは収容人数が増える、より多くの人間の目にとまり多くの価値観に触れるということで、少人数では共有できていた感動が薄まったり、また、観劇に対するモチベーションにもバラつきがでてきて、作品に対する知識や、そもそも舞台演劇というものすら初めてな人も出てきたり。箱が大きくなればなるほど人の数が増え、それぞれ求める理想が食い違ってきてしまいます。
そのギャップをどう埋めていくかが大劇場で公演するにあたっての鍵だと思うのですが、中屋敷さんが選んだ答えは《ファンタジー》でした。
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鈴木聡さんから中屋敷法仁さんへ
元々この作品は小劇場用に書かれたもので、基本的に再演はしないラッパ屋の中でも『サクラパパオー』は再演希望の声が多く、95年の再演では客演を招いての2バージョン編成、03年のパルコステージでの上演ではラッパ屋からは2人のみの参加と、劇場だったりキャストだったりと、前回の上演と必ず違う取り組みがされています。
作品作りにおいて、ドラマは現場、映画は監督が一番大事と聞きますが、舞台ではそれが演出家にあたります。劇場もキャストもがらっと様変わりし、何より脚本家本人であり、過去3回すべて演出まで手がけてきた鈴木聡さんの手を離れ、今回の上演は中屋敷法仁さんが演出を担うことになりました。
中屋敷さん演出の舞台は、中屋敷さんの劇団・柿喰う客『虚仮威』を観劇させて頂きました。感動したので感想も書きました。劇の記事を見てもらえばわかると思うんですけど、めっちゃ怖いですよね、ビジュアル。ストーリーも人間の愚かさに触れるような場面が多く、めちゃくちゃ面白かったんですけど、ここから『サクラパパオー』をやると言われても全然イメージが結びつかなくてどうなるんだろうと思っていたら、サクラパパオーもめっちゃ面白いかったので、中屋敷さんって本当にすごいですね??
鈴木聡さんは朝ドラの脚本もされていますが、中屋敷さんは「演劇」、舞台というものに強いこだわりを持っている印象です。『虚仮威』の記事でも「演劇でしか出来ないことをやる」と宣言し、今回の『サクラパパオー』も、大衆的なものを目指しつつも「演劇」であることの意味や価値を非常に大切にしたつくりになっていました。
演出家としては今作を、コメディの要素を基盤とした壮大な「ファンタジー」であると読んだ。――『サクラパパオー』パンフレット
初演時から20年以上経っているため、人の生活様式は随分と様変わりしています。当時には携帯電話がないし、馬券売り場も今のような機械ではなく人の手で行われていたり、経済的にもバブルの時期なのでお金の動き方も今とは全然違います。そして舞台は仕事とも家庭とも異なる非日常の世界、夜の競馬場。日本の話なのでまったくちんぷんかんぷんというわけではないけれど、常に酔っ払っていたようなバブル時代の浮かれた雰囲気、競馬場という非日常の中での話であることを、中屋敷さんは全部ひっくるめて《ファンタジー》に作り上げています。
ファンタジーとは、空想、幻想。日常を切り取ったような話だけど、あくまでフィクション。私はこのファンタジー=フィクションと捉え、且つ、フィクションとは救済を意味するものだと思っています。
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俳優からアイドルへ
塚田くん演じる田原俊夫くんのことを、共演者の片桐仁さんは「諸星あたるみたいな」と例えてくれました。
婚約者とのデート場所に夜の競馬場を選んだものの、今まで隠していた極度の競馬好きがバレ、ワンナイトをキメた相手と彼女と三者ご対面の修羅場となり、指示を無視して買った馬券を相手の責任へと擦り付け――田原俊夫くん、なかなかのクズです。でも、どうしてか憎めない。
塚田くん自身、アウト×デラックスのレギュラーを2年務めているのは伊達じゃないので、人が買った食べ物を勝手に食べるし、人前で平気でおならするし、笑顔で言っちゃいけない方の正論を突きつけたりと、それ普通の人がやったら怒られるやつだからね?!なことをやってのけながらも、なんやかんや許されてしまうずるーいおひとです。そのずるさがめちゃくちゃ格好いいんですけど!好き!!
そのずるさ、憎めなさこそが、塚田くんのアイドル性だと私は思います。
アイドルの定義は歌って踊る行為そのものだったり、疑似恋愛の対象者だったり、神格化した個人個人の神様だったりと人それぞれだと思いますが、共通するのは、アイドルを取り巻く世界って自分の周りにはない世界です。アイドルという存在そのものがファンタジーの象徴。非日常の存在、理想の体現者なのです。
塚田くんは俳優ではなくアイドルです。今年の座長は、俳優ではなく、アイドルが選ばれました。中屋敷さんは座長がアイドルであることを尊重しつつも、最大限に武器として駆使しています。
今回のキャスト陣は劇団員、元宝塚に芸人と、普段ではなかなか出会うことのない界隈から集まっており、ネット記事でそれは「異種格闘技戦」と例えられていました。技術や実力を間違いなく備え持っている『サクラパパオー』の脚本と演出に、座長・主演を任された塚田くんは「アイドル」という大きなファンタジー性を齎しています。
より大衆化した作品作りを目指すうえで、今まで俳優さんが演じてきた役を、ジャニーズアイドル・A.B.C-Zの塚田僚一くんが主演として演じることになった。まずそのキャスティングがファンタジー作りの大事な第一歩なのではないでしょうか。
演劇とアイドルとファンタジー
中屋敷さんの提示する《ファンタジー》を私は「美術セット」と「塚田くん」に感じました。
- 視覚から伝えるファンタジー
美術セットはさすがのパルコ・プロデュース。舞台の真ん中には煌びやかな馬蹄型のオブジェと、競走馬を彷彿とさせるメリーゴーランド。舞台後方にはスターティングゲートをイメージした通路と柵があり、キャストもそこから出入りします。天井からは月や星が吊るされていて時間が夜であることを表し、傾斜のついた芝は応援席で、下手にはBAR、上手にはチケット売り場があり、舞台上がひとつの小さな遊園地のようです。
キャストは一目見ただけで違いがわかるように一人一人に色がつけられています。田原くんは白、今日子ちゃんは赤、的場さんはピンク、ヘレンは黒、サムくんは紫、幸子さんは黄色、横山さんは青、予想屋の柴田さんは緑。唯一競馬場サイドの人間である実況者の杉村さんも紫ですが、シルクハットにきらきらの衣装と、一人明らかに派手な装いです。レース中でも見分けがつくように競走馬やジョッキーもカラフルな装いを身につけているので、キャスト=競走馬のモチーフになっています。
もし『サクラパパオー』の世界観をドラマや映画などの映像で作るとしたら、ロケ場所は実際の競馬場になるでしょうし、キャストにもこんなに派手な色味の服は着せないと思います。 実写をそのままなぞるのではなく、あくまでモチーフ、抽象的なビジュアルにすることで、「舞台」であることの意味と価値を強調させています。舞台だからこそのカラフルでポップなセット美術は、視覚から《ファンタジー》をわかりやすく提示してくれています。
舞台観劇って衣食住のように生きていく上で“絶対に必要なもの”ではないので、「舞台観劇」そのものが非日常な行為です。だから、舞台を観に行くときってお客さんもちょっと浮かれてるんですよね。どんな舞台になるんだろう、今日の客席はどんな雰囲気かな、あの子は面白いって言ってたけど私にはどうだろうーー普段の日常生活では感じないドキドキを胸にしながら劇場へと足を運んだら、ポップでカラフルな世界が舞台上に広がっている。それに益々想像を掻き立てられて、ドキドキは更に強くなります。
劇場で味わう浮き足立ったドキドキと、競馬場で味わうドキドキって近いものだと思うんです。劇冒頭、競馬素人の今日子ちゃんを競馬場に連れて来た田原も、わかりやすく浮かれていましたしね。サクラパパオーの登場人物と客席と、どちらもドキドキふわふわ浮かれているから、劇場全体が大きなドキドキに包まれて、舞台上と客席との境目が曖昧になって、劇場丸ごとを大きな1つの空間として繋いでくれます。
- アイドルが繋ぐファンタジー
塚田くんに関しては、やっぱりアイドルなところ。キャスト陣の中で唯一のアイドルであり、主演でもある塚田くん。
塚田くんといえば、「金髪・筋肉・塚ちゃん」。ジャニーズで初めて『アウト×デラックス』のレギュラーになり、長年念願だった『SASUKE』に出場も果たし、「塚ちゃん」というキャラクターは着々とお茶の間に浸透していっています。
自分が外部の舞台を観に行くときの決め手として「知っている人が出ているかどうか」って結構大きくて、作品自体に興味はあっても知ってる人がいないと楽しめるか不安で、逆に言うと、知ってる人が一人いるだけでチケット購入のハードルはぐーんと下がります。あらゆる分野で活動している「アイドル」の存在は、特に演劇に詳しくない人に対してとても優しく作品の世界へと手招きをしてくれます。
3回の再演を重ねて作品として十分な評価を得ている『サクラパパオー』が、もう一段階外の世界へ向けての発信と試みるタイミングで、「アイドル」の「塚田くん」が選ばれた。今年の『サクラパパオー』の主演で座長な塚田くんは、演劇と世間、現実とファンタジーを繋ぐ共通言語、遠く離れた国同士を繋ぐ架け橋としての役割も担っているのです。
ここはものすごーーーく、憶測の範囲での話になるんですけど。
小劇場から商業演劇へと進んだパルコ・プロデュース版のホームページを見ると、ラッパ屋のとき①②とキャストの並び順が違うんですよね。ラッパ屋の登場人物紹介では田原の名前が一番最初に来ているのに、パルコ版は的場の名前が一番最初にきていて、ストーリー紹介も田原と今日子ちゃんより先に、まず的場とヘレンの関係性を説明しています。これは完全に憶測でしかないのですが、01年時の主演は田原ではなく的場だったのではないでしょうか。
私が実際に観劇した『サクラパパオー』は今年だけなので過去との比較は出来ないのですが、どのキャストが主役でもおかしくないくらい個々のドラマが出来上がっているので、誰にスポットライトが浴びても面白く見れると思います。今回塚田くんは主演・座長ではありますが、田原だけがずっと出ずっぱりというわけでもなく、田原がいない中でもストーリーは動くので、先頭を切るタイプの主役ではないんですよね。本の加筆・修正も殆どしてないとインタビュー記事で話されていたので、演出のさじ加減でここはいくらでも変えられる可能性を秘めているんでしょうか。脚本は同じで主演が変わる『サクラパパオー』、見てみたい!本当に誰が主役でもおかしくないくらい、どのキャラクターも魅力的な人たちばかりなので!
過去3回の田原俊夫役はすべてラッパ屋の福本伸一さんが演じており、今回塚田くんはその田原を演じるのですが、福本さんとは塚田くんの初外部舞台『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー~パパと呼ばないで~』で共演済みなんですよね!パルコプロデュースで繋がった縁が違う作品でまた繋がれたことにも感動です。もしパルコ版の主演が的場だったとして、パルコ劇場より更に大きな劇場で上演される今回に、もう一度主演が田原に帰ってきたのだとしたら、併せて感慨深いです。
舞台『サクラパパオー』は、たくさんの人の夢と願いを乗せています。競馬場に集まったダメな人たちがサクラパパオーという競走馬に懸ける夢、競馬好きの人たちの夢をフィクションとして叶える夢、この素晴らしい脚本をより多くの人に届けたいと願う夢、演劇という娯楽をより多くの人に浸透させたいという夢、中屋敷さんが商業演劇に乗り込む足掛かりになるように、A.B.C-Zと塚田くんがより多くの人にその魅力を知って貰えるようにーー。
作り手の皆さんはただ夢が叶うことを祈るだけじゃない、作品を通してお客さんを救済してくれます。現実を生きていく上で、世の中こんなにうまくいくはずがない、誰もが幸せになれる世界なんてない、と切り捨ててしまう人がいたとしても、でも、もしかしたら、ひょっとしたら。現実と夢の隙間に「もしかしたら」という期待を、夢を見せてくれる。舞台上の人たちの夢が叶ったように、救われたように、もしかしたら自分の願いも叶うかもしれない。と、思わせてくれる、救いのある作品となっています。
田原を演じる塚田くんは主演で座長ですが、皆の夢を皆で叶えるための乗組員の一人なんです。ジャニーズアイドルが主演だけど、その看板ひとつだけでは物語は終わりません。塚田くんのための作品ではなく、作品を大きくするための手段としての塚田くんなんです。塚田くんがその一員に選ばれたことを、中心に置かれた事実を、いちファンとしてとてもとても光栄に思います。
しかもその夢が、とてもとても素敵な世界だった。素敵すぎて、何の言葉も紡げないくらいに。異種格闘技戦のトーナメント表の0番に、塚田くんがいました。いろんな人の、いろんな立場から願われた夢を背負って。
「素敵」って奇跡だと思うんです。でも、塚田くんは何回も何回もその奇跡を見せてくれる、連れて来てくれる。本当に素敵なアイドルで、誇りの自担です。『サクラパパオー』に出会えてよかった!出会わせてくれてありがとう、塚田くん!塚田くんの齎してくれる幸せが、より多くの人のもとへ届きますように。残りの公演も頑張って!塚田くんのことが好きだなあー!