えりあし

思ったこと、残しておきたいこと、いろいろ

A.B.C-Z 4thアルバム『5 Performer-Z』の話あれそれ【楽曲編】

2017年6月21日にA.B.C-Z 4thアルバム『5 Performer-Z』が発売されました。渋谷駅地下では巨大ポスター広告が設置され、各CDショップでも様々な宣伝ポスターやPOPで盛り上がっておりましたね!

1stアルバム『ABC from to Z』はジュニア時代から歌ってきた楽曲たちをもデビューに導いて、2ndアルバム『A.B.Sea Market』では初めてのオリジナルアルバムを発表し、3rdアルバム『ABC STAR LINE』から1年が経ち、去年とはまた顔つきが変わった“今”A.B.C-Zが詰まった、とっても素敵なアルバムになっています。

A.B.C-Zが今年でデビュー5周年ということで、今年は今までにない豪華な方たちから楽曲や振付を提供されています。楽曲だけでもとっても豪華なのに、今回は特典映像がこれでもか!!ってくらい付属されていて、お母さん、運動会だからってお弁当作り張り切って作りすぎ(>////<)って恥ずかしがる子供のような気持ちです。ありがとう、ポニーキャニオン!!!

コンサートが始まるまでにとんでもなく分厚いこのアルバムを大事に味わうためにも、改めて感想を文字に起こしていこうと思います。気付いたら曲以外の話もしていたせいで死ぬほど長くなったので、各々適当に読み飛ばしちゃってくださ~い(◜◡◝)

 

 

 

  • テレパシーOne! Two!

今回のアルバムのリード曲です。振付は欅坂の『サイレントマジョリティ』など、世界でも活躍されているダンサー・TAKAHIROさんが、A.B.C-Zと仕事をしたい*1と話していたことがきっかけでオファーに繋がったそうです。

テレパシーOne!Two!のMVがまた一段と良かったなー!今までのアルバムリード曲を振り返ってみると、『Shower Gate』は曲もMVも今までのA.B.C-Zになかった“現代のオシャレさ”が新鮮で、『今日もグッジョブ』はアイドルらしい可愛らしいポップな仕上がりだったけど、『テレパシーOne!Two!』はオシャレさとポップさがどちらもバランスよく配合された感じ。バックにジュニアではなくダンサーさんを起用しているところも今までにない新しい試みですね。

今までは曲中にダンス、間奏でアクロバットとそれぞれのパートが分断していたのが、TAKAHIROさんの振付によってダンスの中にアクロバットを取り入れることで、アクロバットも振付のひとつになった、とZIPで説明されていたのを聞いて、なるほどー!と感心しました。常々えびちゃんのアクロバット技は、難易度が高いことはわかるけど、どれくらい難しくてどれくらいすごいことなのかがダンス素人の自分には測りかねていたので、難易度を上げることでクオリティの底上げをするのではなく、見せる順番や配置を変えることでわかりやすく派手に楽しく見せて貰えて、さすがTAKAHIROさん、世界で活躍するプロの素晴らしいお仕事っぷりでした!

所謂外部っぽい曲や振付になると、塚田くんの輝きっぷりがすごいですね!!超かっこいい!!!MVと少クラは茶髪だったけど、それ以降は映画撮影もあったからか染めてしまったので金髪です。塚田担として、映像では残らない舞台の役のために仕上げたビジュアル、茶髪姿が映像として形に残ったのがすごく嬉しいなー!

MVは河合くんがめちゃくちゃ楽しそうに踊っているのが印象的。河合くん、いつでも楽しそうに踊るイメージあるけど、今回は殊更楽しそう嬉しそう幸せそうな顔が目に飛び込んでくるから、見てるこっちもにこにこしちゃうな。

そしてなにより、みんなビジュアルがめちゃくちゃいい。好きなアイドルのビジュアルがいいって、ファンとしてこの上なく最高に幸せなことなので、おかげでダンスも歌もアクロバットも超入ってきやすいです。これから控えている夏の歌番組たちで、どんな風に披露されて、そしてどんな評価を受けるのかがとっても楽しみです!

 

 

  • ドキナツ2017

A.B.C-Zで初めてメンバー全員作詞をした曲で、その光景はKIWAMI盤に収録されております。

アニバーサリー企画の一環として、メンバーみんなで曲作り!はジャニーズあるあるだと思うんですけど、そういうのって普通ファンへの感謝を綴るような曲になるけど、この『ドキナツ2017』のテーマは「初めてのデート」で、A.B.C-Zめちゃくちゃ浮かれてます。感謝の言葉は現場やイベントで直接言って貰ってるからね、大丈夫大丈夫!そっちは十分間に合ってたから!えびちゃんの既存の型にハマらないというか、本人たちは普通にしてるつもりなのに気が付いたらめっちゃ線からはみ出してるところ、超愛してる。

曲はもう出来ていたので、皆でそこに詞を当てはめていく作業だったんですが、進行の中心はこれまでのソロ曲がすべて自作な戸塚くんが担っております。役割を与えられた戸塚くんがめちゃくちゃ生き生きしていたのが印象的でした。

河合くんが「この詞を考えたのは塚ちゃんかな」「ここすごいハマってるのはとっつーが書いたからかな」って、出来上がった歌詞の出来栄えより、ファンにとって「誰が」「どんな」詞を書いたかを想像するのが楽しいことをしっかりわかって言葉にしてくれていたのが嬉しかったな。橋本くんの「これちゃんと歌うときハマるのかな」って心配通り、歌うと結構無理ある部分もあるっちゃーあるのですが、ファンからすれば河合くんの言う通りなので、そこは次回に生かしてもらえればと思います笑。歌うのが大変なのはえびちゃんたちだしね!笑

ざざっと聴いた段階ではえびちゃんのすっとこ具合にファーーー?!ってなったけど、「君もドキドキナツナツしない? しない!?」って好きな子を真剣に口説いてるのに肩透かし食らっちゃったところとか、すごくえびちゃんらしい。「いけるとこまでいきたい」「僕の評価はABC」では、グループ名でありアルファベット並びのABCが恋のステップや評価点数として扱われているのもいいですよね!えびちゃんの下ネタってなんかね、そういうとこあるし…。いまひとつモテなさそうで、でも心には夢と理想とロマンティックを飼ってるところがすごくA.B.C-Zらしくて大好きです。

 

 

  • Endless Summer Magic

夏ソングのド王道きたー!曲もサビから始まって、サビの歌い出しがタイトルと同じ『Endless Summer Magic』なのもすごいど真ん中どストレートで気持ちいい!小難しいことはどうでもよくって、わかりやすくみんなが好きないい曲!河合くんもGO!GO!5で「俺ジャニオタだからこれ好き」って話してたけど、わかる。すごいわかる。個人的な好みはさておき、この手の曲はジャニオタ心をめちゃくちゃ刺激されますよね。

個人的にはこの 「Endless Summer Magic 夏は終わるけれど 終わりじゃないさ」をコンサートの最後に聞きたい。楽しかったコンサートの最後に「終わるけど 終わりじゃない」って歌われたい。Endless Summer Magic、夏が終わらない魔法をA.B.C-Zにかけられた~~い!!

 

 

  • Whippy

『Moonlight Walker』松井五郎作詞×『Reboot!!!』 mikito作曲と、A.B.C-ZのシングルA面曲を手掛けた強すぎる布陣で、個人的に今回のアルバムで一番好みな曲です!!!!

Whippyを辞書で引くと“しなやか”と出てくるのですが、曲としては好きな人を想うしっとりとした大人の片想いの曲です。言い回しがいちいちきれいで、さすが松井五郎~~~!!って歌詞カード持ってのけぞるやつ。

A.B.C-Zの曲だと『Space Beat』が一番好みなんですけど、スペビもうぃっぴーも、どちらも後ろで細かく音が鳴り続けているんですよね。音階を聞かせるというより、効果音のように使われてるのかなあと思うんですけど、夜空で星が煌めいている様を音で表すとこんな風になるのかな、って想像力をくすぐられてすごく好きです。

歌詞も曲調も、大人っぽいけど今のA.B.C-Zが歌っても決して背伸びしてる感じはしなくて、おにいが全員30代になる年のアルバム曲に相応しい等身大な楽曲になったと思います。

橋本くんの「ひとりで眠るBed 冷たくて」がすごくいい。好きな人が隣にいない寂しさを歌う橋本くん~~~置いていかれたわんわん……。

塚田くんのソロパート「嘘と戯れて/言いなりのぬくもり/秘密も悪くないさ」もすんごい好き!「言いなりのぬくもり」の言葉並びとリズムの不思議さがすごく好きーーーッ!!

 

 

  • Love To Love You(橋本ソロ)

橋本くんのソロ曲っていっつもどれもめちゃくちゃ好きなんですけど、今回も例にもれず好きでした。橋本くんの甘い歌声と湿り気を帯びた歌詞の世界が、絶妙な匙加減で混ぜ合わされてるんですよねえ…。恋が実らない状況にいる橋本くんにめちゃくちゃ弱いです。『Whippy』は多分付き合ってないけど、『Love To Love You』は付き合ってる子に別に好きな人がいるのかな?ご時世汲んである。最高です。

橋本くんはこの曲を1万人のファンの前に立って披露するんですよね。好きな子が自分に振り向いてくれない、とファンが見つめる中歌い踊るアイドル…楽しみでしかないです。

 

 

  • Mr.Dream(五関ソロ)

五関くんソロといば「しっとり」「綺麗」「強い」の3点セットなイメージがあるんですけど、今回はガラッと毛色が変わって、歌詞も曲調も明るめで前向きな曲になってます。今までずっと群青×だったのに、今回の曲は黄色×黄緑って感じ本人も意識して今までと違う選曲をしたみたいで、アルバムコンセプトである“パフォーマンス”に新しい色を生み出そうとする五関くんの攻めの姿勢、めちゃくちゃかっこいいです。

えびちゃんのコンサートで「担当はさておき、五関くんのソロが一番強くてかっこいい」お家芸が大好きだったので、いつもと違うテイストなのはちょっと寂しいけど、どんな風に魅せてくれるのか想像がつかないので、例年以上にコンサートが楽しみです。

 

 

  • OTAGAI☆SUMMER!(河合ソロ)

Def TechのMicroからの提供です。J's倶楽部で河合くんが好きだと話していたらまさかの本人からコメントを頂けて、そこからのご縁で今回オファーをしたそうです。

河合くんといえば=ジャニオタだから、ジャニーズ以外のメジャーシーンの曲が好きなイメージってあんまりなくて、でもそれって河合くんがそこ以外の面を削いで話してくれているからなんだろうな。個人的な思い出話になっちゃうんですけど、高校生の頃に自分から音楽を聴くようになった私にとって、Def Teahってすごくオシャレ、Def Tech好きな人=めっちゃモテる、クラスの人気者ってイメージが強いので、Def Tech好きな河合くん=問答無用で爆モテだし、その曲を歌う河合くんってなるともういよいよ青春の小箱を大解放されて、青春のノスタルジーに殺されます。

「とりま君の携帯ナンバーゲトりたい」「女神様、一度だけお願い」「気にするのは遊びじゃないから」ってこの夏のビーチで女の子ひっかけてそうな感じがまさに夏!だし、クラスの子たちで行ったカラオケでこの曲をかっこよく歌われたら惚れ倒すしかない!って聞きながら打ちひしがれてめっちゃ疲れる…かっこよすぎて疲れる…。サビはうちわを置いて手を左右にぶんぶん振りたいやつ。河合くんは「かっこよく踊りたい」と話していたけど、この手の曲で踊るって全然イメージつかないからコンサートが楽しみだなあ!

 

 

  • アツあつ!?夏フェス☆!!(塚田ソロ)

塚田くんが全部自作で『気にせずGO MY WAY』を作ったときからずっと声が上がっていましたが、今年に遂にヒャダイン×塚リカのコラボが叶いました。塚田くんが一時期頻繁にPON!に出演していた際に二人は何度か顔を合わせていましたが、今回のオファーは塚田くんより先にファンの「塚田くんに曲を書いて欲しい」という声がヒャダイン本人に届いていたらしく、その一連の様子をPON!が密着取材していたのでまとめましたのでよろしければ是非。世界観がすごい。→

今年のソロ曲がリカなのは塚田くん発信ではなく、ポニキャ側からのヒャダインさんにお願いするのはどう?」とポニキャ先行で決まったようです。常々塚田くん名義のソロ曲くださいと亡霊のように唱えてきましたが、今回のリカはこれまでの実績が評価されてポニキャが塚田くんをヒャダインへ繋げてくれたのだし、塚田くん自身もヒャダインさんに作って欲しい」とはずっと口にしていたし*2、密着映像を見ると、二人が本当の本気で真面目に楽しそうにリカの世界観を作り上げていることがわかったので、今は素直に、塚田くんおめでとう~~と思っております。来年、来年こそは…!!

塚田くんのこれまでの楽曲は、一曲の中で様々なテイストの曲を混ぜたりとヒャダインを意識して作っていそうなところがありましたが、いざヒャダイン本人が作るとさすが本業のプロの方ですね。塚田くんのリカの夏=おうちでネットサーフィン旅行もとんでもねえ発想ですが、おうちで動画サイトをクリックしていろんな楽曲を再生することで、たくさんの派生キャラクターを出演させられて、かつ「おうちで夏フェス」という引きこもりながらもアウトドアな空間を演出していて、常人では思いつかない数々の世界観を、ひとつの物語として違和感なく一曲にまとめつつちゃんと遊びも利かせていて、回収スキルの高さが楽曲のクオエイティにも繋がっていてとにかく圧巻です。

『気にせずGO MY WAY』でリカがアイドルとしてソロデビューを果たし、『DARKNESS(LOVEです☆ver)[feat.塚☆リカ]』でリカとだぁくねすをコラボレーションさせ、これはもうリカは完ストだろうと思っていたら、この『アツあつ!?夏フェス☆!!』ではヒャダインの提案でリカが5人組アイドルグループ・YMG(イエローマッスルガールズ)を結成するという、文字に起こすとますますすごいな…。リカにとっての二度目のデビュー記念曲になるんだと思うと感慨深いですね。夢が叶っておめでとう、塚田くん。でも水着については喧嘩腰で臨もうと思います。自分の体を安売りしないで!!!

 

 

  • Dolphin(戸塚ソロ)

各メンバーソロ曲の提供者が豪華な中、一貫して自作曲で勝負する戸塚くんがさすが戸塚くんです。『ドラマ』『V』そしてこの『Dolphin』で三部作が完結、と話していましたが、どの曲もその年のその時々の戸塚くんの仕事や記憶や感情が日記のように記されてきたように思います。歌詞を拾うと曲を聴いているというより物語を読んでいる気持ちになりますね。

『Dolphin』はデビュー5周年を迎えた今の戸塚くんの決意の曲、なのかな。「この未知に出て5年」はデビューという“未知”の世界、新しい“道”の意味もかかっていますね。「疾走する先人たち」はジャニーズの歴代の先輩たちへのリスペクト、「意志のバトン」はそれを後輩として受け取り、のちの後輩へ受け継いでいくぞという覚悟。「並走する戦友たち」は先輩のバトンを受け取った若手ジャニーズグループたちのことかな。羅針盤は船の指針を示すもので、戸塚くんが作詞した『ずっとLOVE』にも「荒ぶる波も海も泳いで」「オーロラ纏う黄金の船」など、デビューを船出に例える歌詞がありましたね。「バケーション」伊坂幸太郎の『残り全部バケーション』、ダ・ヴィンチダ・ヴィンチで連載していたときのことかなた。戸塚くんのこれまでのアルバムの写真を見せて貰ってるみたい。

「たまに会えると嬉しいんだ」はメンバー、スタッフ、友達、家族、ファン、周りすべての人たちに向けて。STATION A.B.C-Zでも話していましたね。この並びに自然と“ファン”の存在が入るのが戸塚くんらしくて泣けちゃうな。「僕の心は君の形をしているから」はそのことへの感謝と愛。

私がすごく好きなのは「光ること恐れず飛び込めよ真ん中に!」です。後から加入して0番の位置に置かれた橋本くん、赤になりたかった河合くん、自分がセンターに入るとしっくりくると話す五関くん、サクラパパオーを経てセンターに入りたい気持ちがまた芽生えた塚田くんと、他のメンバーの口から“センター”に対する想いが出揃ったタイミングで、戸塚くんからは言葉ではなく音楽から、その意識を聞けたような気がしています。戸塚くんのことだから、個人というよりグループでのことかなあとは思っちゃうけど、もしそういう場面が来たら、私はこの歌詞を思い出すとおもうから、ここに関してはこれからの戸塚くんで証明してもらいたいし、その姿をファンとして見守っていきたいな。伝さんで「自分はゲートボールができない」って正直に話してしまった戸塚くんだけど、これからはみんなをどんな世界へ連れて行ってくれるんでしょうか。

「先人たち」「戦友たち」に次ぐ「才能たち」。これはメンバーのことかなあ。ジャニーズを辞めたくなって坊主にしても、この4人を巻き込んじゃ駄目だと踏ん張った戸塚くんが4人を指す言葉に「才能」を選んだのだと考えると、ううーん、よく噛み締めて味わいたい!今までと今の戸塚くんがこれでもかと詰まっていて、どんなに著名な方でも決してこの曲は作れなかった。“今”の戸塚くんにしか書けない、戸塚くんにしか歌えない歌だなあ。

「僕の心は君の形をしているから」

アイドルが紡ぐ言葉として最高峰の愛が詰まっているなあと思います。

 

 

  • Fire in Love

アルバム1枚に1曲は絶対に欲しい、めちゃくちゃ戦闘力の高い曲。4分音符をドンドン鳴らせるのめっちゃ強そうでいい。加工も効いていて彩度高そうなサイケデリックな音が印象的です。今までのコンサートを踏まえると、これはガッツリ踊る一曲になりそうですね!

この手の曲ってスピード感とリズム打ちばっかり耳で拾っちゃうんですけど、このスピード感の中でも橋本くんの甘やかな声が崩れることなく耳に残るのがすごい。「あぁ 刺激的」がダイレクトにセクシーだし、「二人きりのショータイム ご招待」の誘う感じも煽情的だなぁ。今年は流して聞いているだけでも例年以上に橋本くんの声に意識が引っ張られるので、またうまくなっているのかな。頼れるリードボーカルさま~!

塚田担的には『Fly a Flag』「いつかの僕が残す声」に次ぐめちゃかっこいいソロパート、「罪のシルエット」に期待大です!

 

 

  • Glory Days

初めはコンサートの最後にやりそうだな~くらいの気軽さで聞いていたら、特典映像のメイキングを見て、この曲に対するイメージが一気に変わりました。

今まではメインボーカルの後ろでバックコーラスはあったけど、ハモりは初めて。曲も音数が少なくて、ボーカルが楽器の役割を大きく引き受けているので、ボーカル難易度はいつもより格段に高いんじゃないかな。今までは挑戦=ダンスやアクロバットの難易度を上げることが多かったですが、『テレパシーOne!Two!』では見せ方を、『Glory Days』ではボーカル面から新しいパフォーマンスの形に挑戦しています。これをコンサートで歌い上げられたら強いだろうなあ!

橋本くんが「ラップ部分も柔らかく歌いたい」って、ボーカルに対する強い拘りを見れたのもよかった。A.B.C.に加入した橋本くんのことを「柔軟剤みたいな存在」と例えたのは河合くんだったかな。本当にその通りだなあって改めて思えた。橋本くんのメインボーカルとしての実力を今一度見せつけて貰いました。編集が入ってない歌声、橋本くんがダントツよかった。橋本くんなりの自身のボーカルを超えた曲に対する拘りがありそうなのに、「みんなにはみんなのやり方があるから」って言うからおねいさんはなんだか…なんだか……いいお肉食べさせてあげたい。

 

 

  • Reboot!!!

初めての歌詞共作、豪華な方からの楽曲や振付提供、初めて5人でレコーディングと、沢山の初めてを試みてきたアルバムの最後に『Reboot!!!』、再起動がくるってめっちゃ強くないですか?! こんだけいろんなことやってきたのに「空っぽのゼロ ここからリスタート」とか言われましても?!?!にくいなあ!!!貪欲だなあ!!!!好き!!!!!

A.B.C-Zの仕事ってどれもちゃんと地続きなところが好き。自分たちで歩んできた道の先に今の場所があるところが好きで、だからこそえびちゃんのことを信じられる。たとえ今この瞬間の答えが重ならなかったとしても、今まで辿ってきた道筋が確かな信頼として存在しているから、ここから繋がる道は必ず存在するのだと、悲観せずに受け止められる。

2016年最初のリリースで、ポニキャからの提案を断り続けて最後の最後に花言葉と出会えたと話していたえびちゃんが、2017年、デビュー5周年一発目のリリースの『Reboot!!!』では、ポニキャからの提案を受け取る形で話が進んでいきました。お互いが歩み寄って手を取り合って出来上がった『Reboot!!!』で、改めて自分たちの武器は“パフォーマンス”にあると確信して、そこからのこの『5 Performer-Z』なんですよね。『Reboot!!!』がなかったら『5 Performer-Z』も今のような形では出来上がっていなかったことを思うと、最後にこの曲をもってくるのが粋で粋でしょうがない!!

テレビではたくさん見てきたけど、なんだかんだまだ現場ではパフォーマンスを見たことがないのが自分でもびっくり。上半期の現場は全部個人舞台だったもんねえ。現場で見たときにどんな気持ちになるのかも楽しみだな。

 

 

  • Lily-White(Bonus track)

『Lily-White』はなんといっても作詞作曲編曲が『Vanilla』の井出コウジであることですよね!!橋本くんが加入してA.B.C-Zになったことで貰えた『Vanilla』は、当時まだ15歳だった橋本くんがセンターで歌っていたことを考えるとすごい話ですし、23歳の橋本くんが歌う『Lily-White』に背伸びを感じなくて、時の流れを感じて目頭が熱くなります…。

デビュー後のコンサートの一発目にも使われるくらい、えびちゃんの『Vanilla』に対する信頼ってすごいです。もちろんいい曲だし人気があるのはわかるんですけど、私はデビュー後からのファンなので、思い入れがあるかと言われると、えびちゃんが大事にしてるから私もそうしたい、くらいの感じで、正直私個人的にはそこまで『Vanilla』に執着がないんですよね。A.B.C-Zは事務所で一番ジュニア歴の長かったグループなので、デビュー前を数えてしまうと入れてない現場の方が圧倒的に多いし、世に知れ渡っていない、当時の人にしかわからない感覚がものすごーくたくさんある。大事にしてあげたいけど、でもやっぱり知らないから、知らないものを大事にするのって難しくて、だからジュニア時代の曲たちが初めてのCD形態『from ABC to Z』としてリリースされたことが嬉しかった。大事にする理由を与えて貰えたから。

デビュー5周年記念シングルで、デビュー日と全く同じ日にリリースされた『Reboot!!!』で再起動をした次の曲に、ボーナストラックとして『Lily-White』が置かれているのは、A.B.C-Zのジュニア時代をずっと支えてくれていた『Vanilla』が再起動してアップデートされて『Lily-White』に生まれ変わったみたいだなあ、と思います。『Lily-White』を通してまた、えびちゃんの過去に触っていい権利を与えて貰ったみたい。A.B.C-Zは過去を未来に繋いでいく歴史の伝承者だから、そんなえびちゃんの過去を大事にする理由をもらえたことがすごく嬉しいです。

えびちゃんは過去を切り捨てずに、過去も今も全部抱えて大きくなろうとしていってるグループで、そんなグループってほかにいないです。もう過去はいいんじゃないか、デビューしてるんだから身軽になってもいいんじゃないか、って思ったこともあったけど、今より過去を捨てないでいてくれるってことは、いつかの未来の自分も捨てないでくれるかもしれないし、過去と共に生きていくのはジャニーさんから『ジャニーズ伝説』を語り継いだA.B.C-Zの運命なんだと思います。

この曲を披露するときのえびちゃんはどんな気持ちでいるんだろう。過去を思い返していても思い返さなくても、私にとってA.B.C-Zの過去からの今、今からの過去を改めて繋いでくれる大事な一曲になってくれました。

 

 

  • All My Everything(Bonus track)

最後の最後、おやすみを言う一歩手前の子守歌みたいだなあ。本当の本当に、このアルバム最後の曲です。

歌割がメンバー一人ずつ順番にソロパートを歌っていて、最後にならないと5人で歌わないなんて、コンサートが終わるまでのカウントダウンをされているみたい。世界に二人きりしか生きていないような歌詞なのに、まだコンサートは始まってすらいないのに早くも寂しい…寂しいなーーー!!

好きなアイドルに「心も体も全部あげるよ」なんて歌われたら一生愛するしかない。えびちゃんはファンをお墓に入れてくれるみたいなので本当頼むな。歌詞もそんな感じに聞こえてきました。このまま一緒に永遠の眠りにつけそう…(  ˘ω˘ )スヤァ…

 

 

 

『5 Performer-Z』から見えたもの

今作では、今まで以上にポニキャとA.B.C-Zの関係性を見せて貰いました。いつもはジャニーさんが直々に持ってきたり、ポニキャが持ってきた曲をえびが選んだりと、決定権はジャニーさんとえびの側にあったようですが、『Reboot!!!』では曲も方針も振付もポニキャが事前に用意して、えびはそれを受け取る形でのリリースになりました。リリース時のメンバーのコメントや自分の中の手応え、今までと違う体制に対しての不安や心配は拭い切れなかったのですが、A.B.C-Z本人達が「それも新しい試みだから」と自分たちの中の責任感の椅子に曲を座らせていたから、ファンとして自分もこの曲をきちんと受け取ろうと思えました。

A.B.C-Zの手元を離れた場所から始まった『Reboot!!!』でしたが、その試みは決して間違いではなかったことを『5 Performer-Z』に証明して貰いました。『Reboot!!!』でこれでもか!ってくらいアクロバット技を詰め込んだえびちゃんは改めて、自分たちの武器は“パフォーマンス”にあること、歌・ダンス・アクロバットだけではなく、バラエティも作品制作に直接携わる体制も、全部含めてA.B.C-Zのパフォーマンス」であることを確信して打ち出してくれたこのアルバムは、まさしく“今”のA.B.C-Zが等身大に詰まっています。

 

『テレパシーOne!Two!』にTAKAHIROさんを起用したことは勿論、殊に『ドキナツ2017』の歌詞共作、『Glory Days』の5人でレコーディングは、ポニキャ側がセッティングしなければ実現しなかった空間だと思うので、“A.B.C-Zのために”動いてくれたことが本当に嬉しい。

『ドキナツ2017』では、塚田くんは前に「メンバーとディスカッションをしたい」と話ししていましたが、ドキナツ共作でそれに近い体験が出来たんじゃないでしょうか。“歌詞の共作”という正解のない制作作業に5人で取り組むことで、自分の中のグループに対するイメージが自然と言葉に現れ出て、また他のメンバーのイメージも知ることが出来る。面と向かって自分たちの話をするより、曲のために、お客さんのために、ってゴールが明確にあったから、普段思っていても皆に聞いてもらう機会がなかった自分の意見を言い易い環境だったんじゃないかな。塚田くんはインタビューで「もっとみんなの意見を聞きたかった」と心残りがあったようですが、今回を機に言葉にして確認し合う機会が増えていったらいいね、なんておたくは思います。

『Glory Days』特典映像ではひとりずつのレコーディングをしたあとに、5人でひとつのブースに入って5人一緒にレコーディングをしている風景が収められています。インタビューとメイキングの最後に、レコーディング映像がまるでMVみたいに編集されて、その映像と一緒に曲が流れたのがすごくよかった。特典映像の中で1番好きなシーンかもしれない。観客のいないレコーディングで、目の前の音楽とだけ向き合っているえびちゃんの姿はとてもとても綺麗だった。

A.B.C-Zは振付も演出も、なんなら楽曲決めまで自分たちでやってきたグループだから、自分たちだけの力では辿り着けなかった世界に、外部*3の手によって連れて来て貰えたのが嬉しかった、そういう機会がずっと欲しかった。ファンだけじゃなくて、たぶんメンバーも。

A.B.C-Zが見せる“A.B.C-Z”と、ファンが見つける“A.B.C-Z”の間だけでも誤差やブレって絶対生じてしまうんだけど、そこに5人以外の手が加わってしまうと、もっと距離が離れてブレが大きくなってしまうんじゃないかって怖かった。でも『5 Performer-Z』が手元にあるいま、もし提示されたものに反発することがあっても、今は受け止められなくても、絶対に次へと繋げてくれるから信じて大丈夫なんだ、って。本人たち以外の存在を大事にしたい、大事にしても傷付けられない、のかもしれない。今ならそんな風に思えます。

 

 

相変わらず視点があっちこっちにと読みづらい記事で申し訳ありません。おかげさまでこの記事を書くことで、一曲一曲しっかりと向き合う時間を作れました。A.B.C-Zの音楽はパフォーマンス、コンサートを見て初めて完成する、と思っているのでまだまだ決まりきった感想は出ていないと思うのですが、コンサート前にこの記事を書ききれたことは個人的にすごくいい時間でした。また聞きこむことで違う感想も出てくるやもしれませんが、夏に向けてのある程度の下準備ができてよかったー!コンサート後に読み返すのも楽しみです。

長々とお付き合い頂きありがとうございました。今年もA.B.C-Zに会える夏が楽しみだー!

 

 

 

*1:該当記事→TAKAHIROがコラボしてみたい人BESTベスト3

*2:去年宮っちのソロがヒャダインだったときにすごく羨ましそうにしてたもんね

*3:事務所の人ではないという意味で