星の瞬きを見て思う
星、雪、ひまわり。⭐️❄️🌻
— KAGAYA (@KAGAYA_11949) 2016年11月25日
11月に咲いた不思議なひまわりたち。
そこにまさかの雪。
夜になると晴れて満天の星に包まれました。
夢中でシャッターを切っていると、さらに流れ星が飛び込みました。
初めて見る幻想的な光景。
(昨夜、山梨県北杜市にて撮影) pic.twitter.com/7EZ3pbyU1d
満天の星空の下で咲く向日葵の頭に雪が被さってるのって、どう考えても冬生まれのひまわりアイドル・A.B.C-Zの塚田僚一くんの30代が奇跡に満ちていることの予言でしょ
— あき (@planetofU) 2016年11月25日
もうすぐだね。
Joyful,Joyful!!A.B.C-Zに幸あれ!
【A.B.C-Z】
— タワーミニ汐留店 (@TOWER_Shiodome) 2016年11月17日
12/7発売 DVD/Blu-ray『A.B.C-Z Star Line Travel Concert』のジャケットが昨日、発表されましたね❗️初回盤、通常盤両方ともかっこいいデザインですね✨✨✨✨✨
絶賛ご予約受付中です(^^)#ABCZ pic.twitter.com/dWd89bdVpX
ABC座2016 株式会社応援屋!!~OH&YEAH!!~
ABC座2016 株式会社応援屋‼︎〜OH&YEAH!!〜、全35公演、お疲れ様でした!
毎年演目が変わっていくえび座ですが、去年に続き今年も演出は少年隊の錦織一清さん、そして今年は脚本・音楽にNONA REEVESの西寺郷太さんが加わり、また一歩、内側から外側に向かって輪を広げていった舞台となりました。
ABC座の基盤はあくまで「ジャニーズ」舞台ですが、今年は遂にクレジットからジャニーさんの名前がなくなりました。それでも初演から続く「ABC座」の名前が付けられたままなのは、ジャニーさんの手元を離れても、A.B.C-Zにはジャニーさんの魂が刻まれている、とジャニーさん自身が感じているからなのかなあ~、と勝手に思っております。
今のジャニーズの中で、A.B.C-Zほどジャニーズクラシカルに特化したグループはいないのではないでしょうか。私自身、ジャニーズを能動的に追いかけるようになって約10年ほど経ちますが、A.B.C-Zのファンになってから知ったジャニーズの歴史や文化が数多くあります。
そんなA.B.C-Zに、外の世界と現代の時間が吹き込まれた舞台、それが私にとっての今年のABC座です。
今年のえび座の一番の魅力はなんといっても「音楽」だと思います。
西寺郷太さんといえばV6の「Sexy.Huney.Buny!」*1他、様々なアーティストの楽曲制作に携わっており、現時点タイアップもCMもないA.B.C-Zにとって、ここまでの外部の方との共作は初めてではないでしょうか。
郷太さんはこのABC座のために新曲を11曲!書き下ろしてくださったそうで、ミニアルバムが作れちゃいますよ~、すごいなあ!どの楽曲もかなり遊びが聞いていて面白いので、今年は楽曲の話をしながら記事を書いていこうと思います。
素人の主観なのでいろいろとご容赦頂けますようお願いします~。
MUSIC NUMBER
~一幕~
#1:マーチングバンド
#2:OH&YEAH!!/A.B.C-Z
BGM ビニ傘 to Real Love
#3:腐れ縁・イン・ザ・レイン/修也、ジョー
#4:将棋 BANG! #1/桂馬、くりくり、A.B.C-Z
#5:人の心はマスマティックス?/いしけん、くりくり、桂馬
#6:We're DIGITAL BOYS/デジタルボーイズ
#7:シンドイシンドイシンドバット/シンドバッズ
#8:Waiting for you/いしけん、A.B.C-Z
#9:Change Your Mind/いしけん、修也、ジョー、くりくり、桂馬
~二幕~
#10:One More Kiss/A.B.C-Z
#11:The Same Birthday/裕美子
#12:サポーターズ #INTERLUDE/いしけん
#13:桂馬のジレンマ/桂馬
#14:人の不幸をクリック、クリック、クリック/デジタルコープスの皆さん
#15:将棋 BANG! #2/桂馬、デジタルボーイズ
#16:Delicious/桂馬、A.B.C-Z
#17:The Same Birthday/裕美子
#18:Change Your Mind Ⅱ/応援屋の皆さん
#19:サポーターズ/応援屋の皆さん
-
OH&YEAH!!
グレースーツに身を纏ったA.B.C-Zが歌うこの曲は、昨年「Smiling Again」のような手拍子の似合うポップさとはがらりと色を変えた、大人な曲調になっています。
劇のタイトルを繰り返すサビや、自然と横揺れしてしまいそうなジャジーさは、どことなく「JAM TOWN」のOPを彷彿とさせる曲調で、「JAM TOWN」でも音楽を手がけていた郷太さんのセルフオマージュなのかな、と個人的には思っております。
今年のABC座は河合くんと戸塚くんが、2016年新春にKAAT神奈川芸術劇場で行われていた舞台「JAM TOWN」を観劇して感銘を受け、錦織さんと郷太さんとの共作を直接お願いしにいったことから始まりました。*2
それもあってなのかこの「応援屋」の本編は、今年のえび座の発起人である河合くん演じる修也と、戸塚くん演じるジョーの二人のシーンから始まります。製作者の二人から演者の二人へ、作品をバトンタッチしているようで、感謝と尊敬と愛のある始まりだなあと思いました。
-
腐れ縁・イン・ザ・レイン
初日に観た感想は「この曲で客席の半分が死んだ…」でした(笑)。幼馴染である修也とジョー、A.B.C-Z内唯一の同期である河合くんと戸塚くんの二人曲です。
そしてこの楽曲はミュージカルの王道「SINGIN' IN THE RAIN」、「雨に唄えば」の有名なシーン、音楽の授業でも見たことのある、雨に打たれながらの歌とダンス、水たまりのタップダンスも再現されていましたね。
この曲の途中でパソコンを前に椅子に腰を掛けた塚田くん演じるくりくりが登場します。修也とジョーのタップに合わせて、くりくりがパソコンのキーボードをタイピングしており、二つのタップ音が共有されているのです。*3音楽畑の人ならではの小遊びだなーと感動しました!
-
BGM ビニ傘 to Real Love
ジョーがコンビニのビニ傘を修也に渡してから腐れ縁~が始まるまでのちょっとの時間にオフボーカルでこのBGMが流れるのですが、この曲はそのまんま同タイトルで「JAM TOWN」で使われていた楽曲です。「JAM TOWN」ではヒロインの女の子がイケメンくんと再会して恋に落ちる乙女ティックなシーンで、その時も場所はコンビニ、雨、ビニル傘と、同じシチュエーションだったんですよね。ビニ傘繋がりだとは思うのですが、曲を知っている身としては、こう、ね…ここでこれが流れるの、面白いよね…(笑)
-
将棋 BANG!
桂馬の引退のニュースを見て静岡から愛車のミゼットに乗ってはるばる東京・中野のバー「チェリームーン」までやってきたくりくり。将棋盤を挟んで向かい合わせに、モニターに映る小学生時代の対局風景に合わせて将棋を指す桂馬とくりくり。
将棋 「BANG!」=将棋「盤」と道具そのものにも掛かっていますが、駒を指す音がパーカッションとして楽曲に組み込まれているのも面白いです。
歌詞には「矢倉穴熊」「居飛車振り飛車」などわかりやすく将棋用語が用いられており、「腐れ縁」で繋がった修也とジョーと対になる、「将棋」で繋がった桂馬とくりくりを表す楽曲です。
上ステージにOPのグレースーツを着たはしふみとつが一本のマイクスタンドに三人で歌っているのですが、塚田担のため見る機会がありませんでした。今年のえび座の円盤化に託しました。
この曲の最後に桂馬の手をくりくりが掴んで制止させて終わるのですが、くりくりの顔が綺麗すぎて何を表しているかまでがわからなかったので、解釈が固まっている人がいましたら是非教えて頂けると嬉しいです。
-
人の心はマスマティックス?
「腐れ縁」の修也とジョー、「将棋」の桂馬とくりくりに対して、橋本くん演じるいしけんを表す楽曲は、いしけんセンターにバックは(大体)Travis Japan演じるデジタルボーイズの皆さんがついています。対になる相手がいないのはもう0番の宿命ですね。
「人の心は数学」「すべて計算、予測出来る」と本気で信じている、おっきなわんわんはちもとくんとは真逆のクールインテリ天才役のいしけん。殊に一幕はいしけんの表情はずっと冷たく、この曲のダンスもロボットダンス調なので、いつものA.B.C-Zの橋本くんの魅力である情感深い歌声やダンスを封じられた、ニッキニッシさんからの次のステップへ上るための課題のようにも感じました。歌に感情という装飾がない分、橋本くんの歌声の綺麗さが改めてよくわかってよかったです。
-
We're DIGITAL BOYS
「ワンゼロ・那由多・天・京・一・千・厘・and MIllion」「We're DIGITAL BOYS」合間にラップと、構成にどことなくジャニーズのメンバー紹介曲っぽさを感じました。踊れる子達がこれでもかってくらいかっこいい振り付けで踊っていて、かつメンバーはいないので、心置きなくJrを楽しめて贅沢な時間でした。
メンバーがいるとどうしてもメンバーのことを追っちゃうので、すっぱりいない時間を作ってくれたのが個人的にはありがたかったです。
-
シンドイシンドイシンドバット
明確なコンセプト、捉え方によってはどこまでも広げられそうな、日常生活にすぐ用いることが出来る歌詞。最近の女子アイドルの傾向が短いフレーズに見事に表れていて、さすがです。
-
Waiting for you
人の心は~とは打って変わって、両親のいないいしけんが社長と裕美子さんに両親の姿を求めて重ねる、孤独と寂しさが染みてくる曲です。
同じ場面に修也とジョーもいるのですが、メインはいしけん。将棋 BANG!のはしふみとつのように、グレースーツに身を纏ったつかごがマイクスタンドと一緒にせり上がってきます。工夫や遊び心というよりは、シンプルに歌と曲の良さで魅せる曲になっているのではないでしょうか。
個人的に一番好きな曲です!!歌い終わってマイクスタンドと一緒に降りていく塚田くんが、伏し目がちにそっと微笑む顔が、いつ見ても綺麗で美しかった…。
-
Change Your Mind
桂馬のCATANAとの再戦をお願いしに再度桂馬に会いに将棋会館に訪れるくりくりと、桂馬をスカウトしに来た応援屋の皆さん。修也とジョーに自分の本来の目的を吐露したことで殻を少し破れたのか、桂馬とくりくりに対するいしけんの対応が、修也とジョーのときよりちょっと柔らかくなってます。
すごいタイトルですよね、「あなたの気持ちを変えます」。劇中で一番ポップで可愛らしい曲じゃあないでしょうか。最初は既に応援屋のメンバーであるいしけん、修也、ジョーの三人で歌って踊っていたのが、途中からくりくりも参加して、最後には桂馬もにこにこ顔でタンバリンを掲げちゃいます。ディズニー映画みたいで可愛らしいです。運動会の応援団でも見る横と縦に手を振るあれもありますね、あれ。名前はわかりません!
この場合の応援=音楽で人の心を変える。音楽畑の方の脚本、って感じですね。
-
One More Kiss
郷太さんが15年前に少年隊に歌って欲しくて作った楽曲だそうです。編曲は「Sexy.Huney.Buny!」でもタッグを組んだcorin.さん。13年ABC座「ジャニーズ伝説」でもA.B.C-Zはジャニーズ幻の楽曲「Never My Love」を与えられましたね。ABC座は少年隊のPLAY ZONEの継承ともいえる舞台で、A.B.C-Zは過去のジャニーズからのバトンを数々継承されており、こんなところでも“ジャニーズクラシカル”な繋がりを感じられて感慨深かったです。
サビの「One More “KIss!”」の歌詞に合わせて橋本くんが投げチューしてたの可愛かったなあ。
-
桂馬のジレンマ
裸足で自身の葛藤を描く、桂馬さんのコンテンポラリーダンスの楽曲はショパン「革命」。Legendコンのソロといい、五関くんとクラシックという、切っても切れない関係…。
この時間、日生劇場の舞台上には五関くん一人しかいないんですよね。他のメンバーやジュニア目当てで来たとしても、客席全員が五関くん一人だけを見ていた時間が、パートが、この舞台にはあった。必要な時間だと、五関くんに任された。…五関くんがかっこよすぎてつらい…。
-
人の不幸をクリック、クリック、クリック
将棋 BANG!の駒音みたく、社員証をピッ!する音がテンポとなって始まる専務と秘書の楽曲。多田さんを演じるひのあらたさんの歌がうまいのなんのって!舞台に立つって当たり前に高い技術を持っていないとあの場に立てないんだよな…としみじみしたり。
オラオラ厨二していたデジボの皆さんが音楽にあわせて体が勝手に踊ってた!なコミカルなパートなので、あくどいことをやってきた人たちなのを忘れちゃいますね。CATANAたんもすごい頑張ってた。
-
Delicious
CATANAとの再戦兼桂馬の引退試合はニコ生で中継されていたようで、モニター画面には荒ぶるCATANAと、あのニコニコ独特のなんともいえないテンションのコメントたちが映像で流れています。劇中で唯一歌詞が文字としてモニターに表示されていました。
土曜夕方のアニメのような、強そうなアニソンって感じ!「Deliciousな愛」ってわかるようなわからないような、意味のあるようなまったくないような歌詞を歌えるのはアイドルの特権だと思います!いかちー!
桂馬のピンチに訪れた応援屋の皆さんと5人で歌うときは、いしけん=橋本くんがセンターの布陣でしたが、4人がハケた後は同じ曲を桂馬さん一人のボーカルで聞けるのが最高でした…深く息を吐くことしか出来ない…。
CATANA戦の前にミリオンのマイクパフォーマンス中に流れる、パイプオルガン調の「アメージンググレース」も最高でした。将棋の神様に道を拓かれた桂馬さん…!!
-
The Same Birthday
「嫌い」から始まる曲って、生まれて初めて聞きました。
女性アンサンブルを除くと、この舞台で唯一の女性である裕美子。背負わされるものが多すぎて重すぎて、つか育ちのニッキさんを恨まずにはいられませんね!!!
裕美子を演じる鈴木ほのかさん、びっくりするほど歌がお上手で、どの公演に入ってもクオリティにアップダウンがなく、さすがでした。女性として母親として、とにかく辛くて悲しくて、そして透き通るように美しい一曲です。
-
サポーターズ
「君をサポートしたい」Change You Mindとはまた違った応援の曲。
劇中いしけんが一人で歌っていたときはピアノとグロッケンだけのシンプルな演奏だったのが、ラストに全員で歌う「サポーターズ」は、野球応援にもそのまま使えそうな打楽器管楽器の音も加わっており、OPの最初の最初にマーチングバンドが流れたのは、ラストのこの曲に繋げるための演出だったんですね~!
昨年のえび座から演劇色が濃くなってきたえび座ですが、今年は演劇パートの中でも音楽がたくさん使われていたので、複数回見ても飽きや慣れは殆どなかったです。散りばめられた小ネタは、多すぎるオマケとして気軽に楽しませて貰いました。「ショー」と「演劇」の配合が「和製ミュージカル」という、「JAM TOWN」で錦織さんと郷太さんの二人が目指した形にまた近付けたのではないでしょうか。河合くんも公演前の雑誌で「JAM TOWN」を超えるくらいの作品にしたいと話してましたもんね。
ジャニーさんが手を付けない以上、純正ジャニーズの世界はどうしたって得られないことがよくわかった年でもありました。
ジャニーさんの世界を内部、それ以外を外部と呼ぶなら、摩擦というか異物感というか、分かり合えない要素は今もこれからも確実に出てきてしまうのでしょうが、作り手の皆さんがジャニーさんへの愛と尊敬を絶やさずに作っていることはどの方面からも伝わってきました。
正直ストーリーの線で見ると決定的に共感出来ない部分がどでかくいくつかあったのですが、「A.B.C-Zにしか作れない世界」であることは揺るぎない事実だったので、そこを大事に抱えて、また来年のABC座を楽しみにしたいと思います。
グループ全員が出演する、グループ名がついた舞台が毎年開催されているのって、本当にすごくて立派で、A.B.C-Zでしか味わえない最高の贅沢だと思っているので、来年も更に力をつけたA.B.C-Zの皆さんが、新しくより一層強い世界を作っていくのを楽しみにしております!
覚書Legendツアーあれそれ ②
★Jr.コーナー
ダブルダッチ
限界メーター(野澤&真田&橋本)
曲が終わって暗転。
★シャッフルコーナー
♪まいったネ、今夜(戸塚&五関)(この2人のJazzが見れたので感無量です)
★後半戦
♪BIG STAR
あいさつ(橋、五、塚、河、戸の順)
W Enc.(大阪ラストのみ)
Early Summer 塚田くん
昨年のアウト×デラックス出演から気づけばもう一年が経っていました。塚田くんは相変わらずコンスタントにテレビに出続けているので、上半期はJWが終わってからしばらく直(=現場)の塚田くんを目にしていなかったことを忘れてしまうくらい、塚田くんはテレビに、誰かの目に留まり続けていることが日常となりつつあります。
A.B.C-Zの上半期は今年も個人舞台の時期でした。毎年恒例のつか×錦織×戸塚舞台『寝盗られ宗介』、8ヶ月前から発表があった橋本くん河合くん主演舞台『コインロッカー・ベイビーズ』、CDとアルバムとツアーも決まってて、夏に向けての準備期間だなあ~とのんびり構えていたところに、流星の如く降ってきた塚田くん初主演舞台『ボクの穴、彼の穴。』。千秋楽日に被ってるから今年は無理だね~と呑気に流していたら、まさかの今年もSASUKE出場。そして放送も無事に終了して、夏本番を前にひと夏を終えたような充足感と疲労感を先取りしている今年のEarly summer。
穴もSASUKEも、塚田くん側の準備はもうちょっと事前にあったと思うんですけど、私が心の準備をする余裕が全然なくって、死角から銃で撃たれたような衝撃にじわじわやられ、語彙も奪われ、いろいろと思うところはあれどなかなかうまく言葉に出来ず、でもこの感覚を文字に起こさないまま流してしまうのは、私のオタクの性分が勿体ない!と騒ぎ立てるので、ぜえぜえと肩で息をしながらも頑張ってまとめていこうと思います。
塚田くんとお芝居
ボク穴に対して私の中で一番に出てくる感想は、まずノゾエさんがすごい、ということ。ジャニーズ畑アイドル畑とはおそらく無縁だったであろうノゾエさんが、客席の大半が若手俳優オタとジャニオタという若い女性が占めるであろうこの作品で、この舞台を成功させたことが、本当にすごいなあと…。
穴の中という行動を制限された空間の中で尚、塚田くんの体は自在に動かされていました。
昔 誰かに言われた「塚ちゃんは筋肉で芝居してる」って言葉は強ち間違いじゃなくて、塚田くんって体の使い方がとにかくうまい、というか自在。自分の体を自分 の意思でコントロール仕切ってるように見える。そのコントロール力にロジックや技法を与えられたのが、この舞台の塚田くんな気がする。
— 現場メモ (@_akintbre) 2016年5月25日
私が学校の先生だったらここ間違いなくテストに出すぞってくらい、twitterでも前記事でも散々繰り返してる、ノゾエさんインタビューの「体のポテンシャルが高い二人の《出したいエネルギー》をどうギュッと抑えるか。それによって漏れてくるものがあるので」という言葉がすごくすごく好きで、この舞台を見るにあたっての私の最大のキモです。
この『ボクの穴、彼の穴。』という作品の原作は絵本です。デフォルメの効いたイラストと子供にもわかりやすい簡潔な文章で構成されています。原作がある作品を舞台化・ないし映像化する際の脚本作りにおいて、最も重要視される作業って「どこを削るか」だと思うのですが、ボク穴においてはそれが真逆で、「どこをどれくらい付け足すか」が重要な工程になってきます。
「塚ちゃん」と「ツカダ」
ノゾエさんはインタビューで「二人に嘘を吐かせたくない」と話していましたが、ボク穴の兵士・ツカダは、名前こそツカダリョウイチと本人と全く同じ役名ですが、「インドア派で、スイーツ好きで、観葉植物に話しかける」「24歳」「いじめられっ子」という、金髪筋肉塚ちゃんとは異なるプロフィールを宛がっています。
この設定もまた、ノゾエさんの話す「ギュッと抑える」行為なのかな、と私は思っていて。
塚田くんの今の主な仕事はバラエティです。あれから一年経ちましたが、今尚塚田くんはアウト×デラックスのレギュラー席に座り続けています。
少クラでバラエティで活躍する秘訣を尋ねられたときに塚田くんは「ありのままでいる」と答えていました。塚田くんはありのままの塚田くんでいることを今現在一番求められています。だから、そんな渦中に演技のお仕事が舞い込んでくるなんて予想だにしてませんでした。塚田くんに演技のお仕事が来るのはもう2、3年先になるかね、なんてお酒の席でオタクと話していた矢先に穴の仕事が決まったので、喜び以上に衝撃が強かったことを今でも鮮明に覚えています。バラエティ売り出し中の真っ只中にいる塚田くんに、お芝居、つまり、他人が描いた塚田くん像を宛てがうというのは、塚田くんの「ありのままでいる」精神とは確実にズレが生じます。でも、それがいいのです。そのズレこそが、ノゾエさんのいう「漏れてくるもの」なのです。
塚田くんは「塚ちゃん」であることが一番の魅力で一番の武器です。そんな塚田くんから「塚ちゃん」というキャラクター性を削ぐ、あるいは制限させる。それが、ボク穴というお仕事が私に見せてくれた最高のドラマでした。
制限と報酬
塚田くんが「塚ちゃん」を制限される、と書きました。何に制限されるかというと、舞台を作る上で重要な「セリフ」「演出」「時間」という基本的なルールです。「塚ちゃんが塚ちゃんであること」を武器として活動していた塚田くんに、お芝居という仕事そのものがまず大きな制限です。塚田くんの武器である「突飛さ」「自由さ」「サービス精神」は、ツカダの人生において求められているものではありません。まず、ツカダにはツカダを求めてくれる人すらいないのです。更に場所は「穴の中」「戦場」。戦場だから、ご飯も自由に食べられないし、コンビニだってない、話し相手もいない。ボク穴の世界そのものが、環境的・精神的に強い制限が設けられた世界です。
塚田くんにとってこのお仕事を受けたこと、そのものがまず「ギュッと抑える」演出の始まりです。
それでは「漏れてくるもの」は何か。 私が感じたのは、塚田くんの体の自由さでした。「戦場」「穴の中」に置かれた塚田くんは、制限された空間で、どこまでも自由に体を動かしていました。天井の低い穴の中でのしなやかな身のこなし、体の柔らかさ、声の伸びやかさ。普段は「見せる/魅せる」ことに広く発揮されている塚田くんの体が、高く飛ばなくても、ここぞというタイミングで難易度の高いアクロバット技を披露しなくても、塚田くんは塚田くんの体の中にノゾエさんの意思を汲みながら、自由に、伸びやかに筋肉を弛緩収縮させていました。
顔を顰めて喉を絞って、戦場での孤独と恐怖を体と声で表現する塚田くんの姿を見て私は、体から気持ちが作れるのだとしたら、塚田くんはどこまでいける人なのだろうか、とまだ見ぬ仕事に思いを馳せました。
クラップ「決して勢いに流されない塚田の丁寧で繊細な表現は、声、筋肉…体の全てを的確にコントロールしており、肉体という入れ物の中に“ボク”という人間の魂を置いてステージに立っているよう」
— みる (@planetofU) 2016年6月15日
🙏🙏🙏🙏🙏🙏
ボク穴関係の雑誌は、見落としてない限りはすべてに目を通してきましたが、QLAPのこのテキストが私の解釈にドンハマりでした。塚田くんにとって最大の武器はやはり「塚田くんの体」なのだな、とこの作品と、そしてのちのSASUKEを見て、塚田くん自身の働きっぷりによって今一度噛み締めさせられました。
ノゾエさんのすごいところは、真逆の設定を与えられたからこそ際立つ、塚田くんとツカダの巧妙なリンクです。
塚田くんは雑誌で「いじめられた経験がないから映画を見て勉強している」と話していましたが、劇中のツカダに実際の塚田くんが濃く重なるシーンは何度もありました。
「ハブられたこともない癖に!」
私は当時リアルタイムのファンではありませんでしたが、この台詞から、いじられキャラで悩んでいた時期の塚田くんのことが頭を過ぎりました。
「誰にも言ったことないけど、僕はもっと出来る子です!」では、本質的なことをたくさん考えている塚田くんが、うまくそれを外に発信できないが故に《周りとうまくコミュニケーションを取れていない≫と葛藤する塚田くんを思い出します。A.B.Sea Marketのドッキリが一番わかりやすい例ではないかと。
「おじいちゃんだったら、もし流れ弾に当たっても、大往生だった、って心の整理がつくし…」では、ツカダは本気でそう思っているのでしょうが、文字だけで見るとなかなか残酷です(笑)。塚田くんも時々バッサー!と正論で打ち切るときがあるので、悪気のない残酷さに塚田くんの気配を感じました。
「君がハブられていた理由がわかったような気がする」これは秀くんのセリフです。つまり、塚田くん以外の人から見た塚田くんを指す心情。塚田くんって長所と短所を両手で同時に抱えている人だと私は思っているので、いいことも話してたけど、喜び過ぎてワタナベにウザ絡みするツカダに対してのワタナベのこの言葉は、生きてきた世界の違う二人が本質的な疎通をはかることが出来た、素敵なセリフだと思います。
私が一番好きなシーンは、八場、お互いが<彼の穴>へ潜入したときにワタナベが「彼も仲間を亡くしたのかもしれない」と言うシーン。モンスターだと思っていた相手が、自分と同じ人間だった、彼とボクは同じだったんだ!と敵同士の二人が手を取り合おうとした瞬間、ツカダがワタナベに「それは違う」と言い放ちます。それがこの二人舞台中の終盤、二人が初めて会話を交わしたシーンです。
今までずっと個々の独白で続いていたのに、セットの上では確かに二人は地続きの同じ板の上にいるんですけど、《それぞれの穴にそれぞれがいる》という設定をいきなり無視してツカダがワタナベに話し掛けるんです。ひどいですよね、今までの一時間くらいずっと、そういう程で進めてきたのに(笑)。でも、それってすごく塚田くんっぽいなあと思うんです。決められたセリフ、決められた演出、決められた時間通りに決められた設定で決められた物語を進めていたのに、その全てをツカダがワタナベに話し掛けたことで、今まで演者と観客の間に敷かれていた暗黙のルールを一瞬で破ってしまう。そしてツッコミ不在のまま二人の会話劇は始まります。何故なら、それも物語の一部だから。
ノゾエさんはボク穴で「塚ちゃんの内面を掘り下げたい」と塚田くんに話してくれたそうです。ボク穴のツカダは実際の塚田くんとは真逆の属性のキャラクターですが、ノゾエさんは現実の塚田くんを透かして役に落とし込んでいます。他人が描いた塚田くん像が、こんなにも見事に本物にハマったことって今までになかったです。
セルフプロデュースが主なA.B.C-Zの中でも、ON/OFFのスイッチングが全くない塚田くんを、他人の主観に縛り付ける。そんなことが出来るのって、お芝居というお仕事ならではですよね。
ノゾエさんの世界の中で、塚田くんはやっぱり塚田くんでした。自由で突飛で、それがちょっとずるくて、でも許せてしまう。真逆だったはずの設定が、いつの間にか本人へとすり替わっていて、でもこれは物語の中の話なんだとまた軌道が戻される。虚構が事実に、事実が虚構とリンクし合う。その妙がすーっごく心地良かった、気持ちよかったです。
塚田くんとSASUKE
塚田くんのSASUKE出演が発表されたのは、SASUKE公式とまったく同じタイミング。SASUKE収録の前日5月21日、ボク穴千秋楽前日のことでした。
二兎追う者二兎を得ず、ということわざがありますが、塚田くんは初主演舞台とSASUKEの仕事、どちらも掴み取りに行くことを選びました。
個人的には、もし怪我なりトラブルが起きて舞台に支障が出たらどうするんだ!とリスクについて考えました。社会人なので…。少し落ち着いた頃にパンフレットを読み返すと、塚田くんの自身の体を限界にまで挑戦させたいという強い強い意思を改めて見つけてしまいました。「アクションモノに出たい」「出ないとバチあたりなんじゃと思うくらい」「この体を授かったんだから」
渡部秀くんが出演する『みんなのニュース』でボク穴の練習風景が放送されました。劇中二人で歌を歌うシーンがあるのですが、塚田くんは「いつもより歌いやすい」と話していました。いつも、というのはアイドル仕事での歌唱のこと。アイドルとして歌うときには、まずかっこよくあることを意識して、音程を合わせる、他のメンバーに合わせる、と言った言葉が塚田くんの口から出てきていました。塚田くんはボーカルメインの人ではありませんが、グループで活動するということは、私が想像しているよりも「合わせる」ことに対する意識や労力には強いエネルギーが必要なのかなとそのとき初めて気付きました。そして、グループを離れ一人になったときだからこそ得られる「自由」もあるのだと。
ボク穴が<制限>を課されたお仕事なら、SASUKEはその真逆、ひたすら<解放>しなくてはならないお仕事です。
SASUKEはグループとしてのアイドル仕事とも、グループを離れた個人舞台仕事とも違う、けれど塚田くんという人間・個人に最も近い距離にあるお仕事だと思います。SASUKEはファンや観客を喜ばせる・楽しませるパフォーマンスエンターテイメントではなく、人の手によって作られた目の前の障害に打ち勝つという、リアルタイムアクションドキュメントです。
SASUKEのスタートが鳴ってからの塚田くんの目の前には数々の障害と、自分自身しかありません。「気持ちで負けないように」。本番後のインタビューで塚田くんは噛み締めるようにそう答えていました。
結果だけみると、塚田くんは1stステージ敗退でした。塚田くんに限らず、SASUKEへの挑戦はひとりひとりにドラマがあるのでドキュメンタリーとしてつい見入ってしまうのですが、やはりこの番組がスポーツだなと思うのは、明確に勝敗があるところです。
塚田くんが跳べなかったこと、内心、結構ショックでした。塚田くんを責めたい訳じゃなくって、私が今まで見てきた塚田くんって、全部成功していたんです。どんなにきつい日程を組まれても、見ているだけのこちらがかなりの体力を消費したタイミングでのアクロバットでも、塚田くんが飛べなかったり失敗したことって、今まで見たことなかったんです。着地とかちょっとしたミスはあっても、取り返しのつかないような事態になったことは一度もないです。1stステージといえど、あそこまで行けただけでめちゃくちゃすごいことは言うまでもありませんが、明確な勝敗を突き付けられると、なかなか胸にくるものがありました。
私はボク穴千秋楽日はどーーーーしても仕事が外せなくて、SASUKEの収録を終えた後の塚田くんの演技を観れていません。楽日に入った人にしかわからない感覚がきっとあったことでしょう。私にはこの先一生知ることのない感覚です。
プライベートで街を歩いても、観劇に行った先の劇場でも、旅先で出会っても、塚田くんは名前も知らない目の前の人に快く接してくれます。人目に触れている瞬間ずっと、塚田くんはアイドルなんです。
そんな塚田くんでも、SASUKEのあの時間中ばかりは、グループとかメンバーとかファンとかファン以外の人とか、心の内に仕舞いつつ、それより何より目の前の障害と自分とにだけ集中していたのだと思います。だって、あんな風に神経を研ぎ澄ました、どこかひやりと冷たそうな塚田くんの表情、普段じゃ絶対見れません。周りのために、ではなく、自分のために。
主演舞台の千秋楽日と重なっても、怪我をするかもしれないリスクを背負っても、舞台稽古とSASUKEの練習とレギュラー番組のロケを同時にこなさなくちゃいけなくなっても、塚田くんはSASUKEの出演を諦めなかった。諦めてもいい理由は十分に揃っていたのに、塚田くんは大変な方を選んだ。そんな姿に、胸を撃たれない訳ないです。怪我したらどうするの、バカ!っておもいましたけど、怪我しなくても時間までに劇場に着けなかったらどうするの、バカ!とかもおもいましたけど、そんなことを百も承知で塚田くんはそれを選んだのだし、そしてどちらもちゃんとこなして、劇場に帰ってきた。怪我をせず、泥水にも落ちずに、無事に最後の公演を終えてくれました。ステージクリアという兎は獲れなかったけど、私は舞台の最後を見届けられなかったけど、塚田くんにはそれ以上のものを貰いました。目の届く範囲に塚田くんの姿がなくたって、ちゃんと、受け取りました。
アイドルである塚田くんが、人に見られることを仕事にしている塚田くんが、自分とだけ向き合っている、その時間を私たちに見せてくれたこと。アイドルがファン以外に全力を注いでいる姿っていうのも、そうそう見れるものではないですよね。それもね、塚田くん、スタートのブザーが鳴るギリギリまで、笑ってくれました。実況席からの声援に、にこって笑って応えてくれました。
そして、衣装。胸に「A.B.C-Z 塚田」のゼッケンがついた体操着、下はメンバーカラーである黄色のジャージ。もっと動きやすいスポーツウエアなんていくらでもあるのに、大好きなスパッツも履かずに、グループの看板とメンバーカラー、アイドルの象徴を身に着けて競技に臨む塚田くんの姿は、間違いなくアイドルでした。意識や集中がこちらを向いていなくたって、誰かの目に留まっている内は、塚田くんはずーーーっとアイドルでした。
今までも知ってたつもりでしたけど、今までに見たことのない景色からでも、塚田くん自身がそれを確信させてくれた。こんな頼もしい人って他にないです。塚田くんがアクロバットを成功することって、当たり前じゃないんです。失敗するか成功するか、常にその選択肢と危険に晒されて、毎回毎回、成功の旗を掴み取ってくれていたんです。忘れちゃいけないことだ、って思っていたのに、また忘れかけてました。そして、またちゃんと、思い出せました。大事にしたい、塚田くんのこと。ファンが出来ることなんてなんにもないけど、それでも何度でも繰り返し思い続けます、塚田くんが何度でもそう思わせてくれるから。
塚田くんのことが好きです、大事です、これからも長く応援したい。何度でも好きにならせてくれる、いつだって最新の塚田くんが一番かっこいい。そんな気持ちにさせてくれるアイドルって他にいません、塚田くん以外を私は知りません。塚田くんが初めてだよ。これからも宜しくお願いします。次に会う塚田くんはグループでの塚田くんだから、また見たことのない新しく進化したA.B.C-Zの塚田くんに会えるのを、とってもとっても楽しみにしています。ツアー頑張ってね!家賃はちゃんと払おう!キラキラ衣装を身に纏った塚田くんに会えるのを、首を長くして待っているよー!
ボクの穴、彼の穴。
PARCO劇場(パルコげきじょう、英語:PARCO Theater)は、東京都渋谷区宇田川町にある劇場。渋谷パルコパート1の9階にある。
1973年5月23日に「西武劇場」として開場。オープニング記念公演は武満徹企画・構成の5日間にわたる「MUSIC TODAY 今日の音楽」。ピアニストのピーター・ゼルキン、高橋悠治らが出演した[1]。また74年から88年まで連年上演された細川俊之と木の実ナナの主演によるミュージカル『ショーガール』は、当時の若者に強く支持され、パルコの支持者増加につながった[2]。
1985年に現名称に改称。客席数458席と小規模ホールながら、三谷幸喜作品など、演劇を中心に人気作・話題作を数多く上演している。
建て替え工事に伴い、2016年8月7日を以て、43年続いた「渋谷パルコ劇場」は一時幕を閉じることになりました。
HPにはPARCO劇場クライマックス・ステージという特設ページが設けられ、Season1にはパルコ劇場縁の演目、そしてSeason2は“ネクスト世代”ーーー次世代を担うクリエイターの方の作品が起用されたようです。*1
パルコ劇場クライマックス・ステージをやるにあたってパルコ劇場から「ノゾエさんで、舞台を一本」と依頼を受け、この時点ではキャストも演目も決まっていませんでした。話を進めている間に「少人数で出来る作品はないか」と挙がったときにノゾエさんは、以前から持っていた原作絵本である『ボクの穴、彼の穴。』が浮かんだそうです。キャスト決定の具体的な経緯は私の見た限りどこにも記載はなかったのですが、ノゾエさんは「動ける二人」を探していたそうです。ノゾエさんで舞台というのは少し前から決まっていたそうですが、作品が決まってからは「バンバンバン!と上演が決まり」、舞台雑誌の撮影の場で三人は初めて顔を合わせました。
こうして決まった、演出・ノゾエ征爾さん、出演・塚田僚一さん、渡部秀さんによる二人芝居『ボクの穴、彼の穴。』は、2016年5月21日~5月28日まで、全8公演が上演されました。上演が発表された4月6日から千秋楽まで2ヶ月未満という、あっという間の出来事でした。
更に、パルコ劇場の座席数は458席。単純計算で458×8=3664席。舞台というのは定められた空間と時間、限られた人数の目にしか見ることの出来ない、舞台と観客の秘密の迎合を楽しむものではありますが、いろんなことが急すぎて、千秋楽を迎えてしばらく経った今も、一体何が起きたのか…というくらい、目まぐるしい約2ヶ月の秘め事でした。
ひとつのステージをご覧いただけるのは、458人だけ。けれど、おひとりおひとりに少しずつかたちの違う感動が生まれることを私たちは願ってきました。そして劇場を後にされた皆さんに、何かが宿り、やがて大きな広がりを持って、その時代に静かにしみ通っていく。その奇跡のような「458」のダイナミズムのはたらきを私たちはよりどころとして参りました。
劇場を愛してくださったお客さま、よい舞台をつくるために力を尽くしてきたスタッフ・キャストの皆さん、多くの方々のご尽力に、心から感謝を申し上げます。―――パルコ劇場
もっと多くの人に知って貰いたかったと思う反面、この座席数公演数、決定から千秋楽までのスピード感、このタイミング、それら全てがで掛け合わさって、今胸にあるこの舞台の楽しさ全てに繋がっているのだと思うと、舞台って生き物だなあ、と改めて強く思わざるを得ません。
私のパルコ劇場での観劇は2014年『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー~パパと呼ばないで~』、2016年『恋と音楽 FINAL~時間劇場の奇跡~』に次いで今回が三作品目です。今作はコメディではないのですが、観劇後には前二作同様、満ち足りた幸福感を胸に劇場を後にすることができました。
「いいものを見た。」
あれやこれやと理由を見つける楽しさもありますが、全てはこの一言に帰ってきます。
ジャニーズ事務所に所属するアイドルとしてグループで活動している塚田くんと、アミューズ所属の俳優渡部くんの二人芝居。ノゾエさんもインタビューで「(パルコ劇場は)なかなかの開拓心だなと(笑)」と話されていましたが、キャスト二人に関しても私はそうだと思っていて、一度はパルコ劇場の舞台に出演したことのある塚田くんですが、主演の経験はありません。渡部くんは2015年に『GO WEST』という舞台で主演を務めたことがあるのですが、大変お恥ずかしいのですが、私は渡部くんの名前はこの舞台きっかけで初めて知りました。そしてノゾエさんのことも。
99年に劇団を立ち上げ、演出兼役者としても長い期間演劇に携わってきたノゾエ征爾さん。
98年にジャニーズ事務所に入所し、12年にデビューを果たした塚田僚一くん。
小さい頃仮面ライダーに憧れて俳優を志し、10年に『仮面ライダーオーズ』の主演を果たした渡部秀くん。
近い業界でありながらも全く違う生き方をしてきた三人が、特急電車ばりのスピードでひとつの舞台を作り上げることになった16年5月、パルコ劇場クライマックス・シリーズSeason2。“ネクスト世代”という言葉が三人全員に見事に当てはまっており、これだけでひとつのドラマのような出会いの奇跡を感じます。
舞台、とっても面白かったです。戦場でのお話でしたが、シリアスな面は勿論、くだらなさに声を上げて笑ってしまったり、ほっと息を吐けるシーンもあるので、90分ずっと緊張の糸を張りっぱなし、といった舞台ではなく、肩肘張らずに楽しめる素敵な舞台でした。
穴の演出がとにかく素敵で。はじめは荒野の地面を表していたセットが、床に敷いた布を吊るし上げることで、一瞬にして穴の中に落ちる演出がシンプルながらにとても幻想的で、そこから一気に舞台の世界に引き込まれました。
穴は劇中、天井のように二人の頭上にずっと吊るされていました。ノゾエさんが「体のポテンシャルが高い二人の“出したいエネルギー”をどうギュッと抑えるか。それによって漏れてくるものがあると思うので」と話していた通り。
天井の穴は序盤では立ち上がると頭の上十センチ二十センチのところにあり、前の方の座席で見たときに、後ろの席で見たときよりその存在感に圧倒されたので、舞台の上で演じている二人も、常に頭の上にプレッシャーを感じていたのではないかと思います。穴は二人の精神に余裕がなくなるほど低く置かれ、雨のシーンでは膝立ちをした二人の頭のすぐ上にまで穴は迫ってきており、これがノゾエさんの言うギュッと抑えたエネルギーのフラストレーションの形なのかなあと。そして最後の場面では、恐らく劇中で一番高い位置に穴は置かれていたのではないでしょうか。大きく上を仰いで、一度は殺すことを決意した相手からの連絡を待つ二人の心の開放を感じました。
『イット・ランズ~』も『恋と音楽~』も、舞台は屋内の一室だったので、本物の部屋のように細かくセットが作られていたのですが、今作のセットは本当にシンプルで、穴を表す布と、二人の兵士の持ち物くらいしか舞台上にはありません。それなのに、布一枚で天井の穴、星空のスクリーン、獣の幻覚―――見せ方ひとつでこうも景色が違って見えるものなのかと、演劇にしか出来ない表現とその凄さを見せつけられました。
舞台は全8場で構成されています。
- 荒野
- 塚田の穴
- 渡部の穴
- 二人の穴
- 星空の穴
- 雨の穴
- 外の穴
- 彼の穴
ちなみにこれは私の勝手な区分です(笑)。
ジャニーズ舞台ではお馴染みですが、登場人物二人は実際の二人と同じ役名です。実際の二人と大きく違うのは、29歳の塚田くんが劇中では24歳に、24歳である渡部くんが劇中では26歳に。二人の年齢が実際の年齢と逆転されています。
渡部くんは学級委員長として恐らく集団行動が常で、一方塚田くんはいじめられっ子の一人ぼっち。塚田くんは一人ぼっちどころか、00年頃にはもうA.B.C.としてグループで活動をしてきて、12年にはデビューもしていて、一生グループの一員として活動を続けていく人です。渡部くんはアイドルではなく俳優なので、一生を共にするメンバーにあたる相手はいません。
ノゾエさんは「(二人に)嘘は吐かせたくない」と話しています。あくまで物語上の役の話なので、役と人とを完全に一致させる必要はないのですが、本人たちの名前を使っている以上私はどうしても役と本人を照らし合わせて考えてしまいます。ちょっとずつ、違うんです。
パンフレットで渡部くんは「自分以外のものは全部敵って思うときがあります(笑)」と答え、塚田くんは「(敵は)自分自身ってことになるのかな」と答えています。「他人が持っていて自分では持っていないものを見せ付けられると『僕だけだ』という感じが、とても孤独」と話す塚田くん、「自分さえ信じることが出来ていれば、あまり孤独は感じない」と話す渡部くん。戦争の話も、今の生活は戦争の上にあることを考えながら「今、感じていることが正しいのかどうか、わからないです」と答えた塚田くん、いろいろ複雑なことは考えつつも「結局最後に出て来る言葉は『くだらない』という言葉」と答える渡部くん。二人ともいろいろと考えている人なのはインタビューからよくわかるのですが、面白いくらいに答えがどれも真逆。そんな二人の考え方の真逆さは、劇中で「学級委員」と「いじめられっ子」という立場に置き換えられてます。
ストーリーは基本的に原作通りに進みますが、原作では一人のみの視点で語られ、相手の語りは一切ありません。劇中も基本は塚田くん・渡部くんの独白で話が進みますが、二人が会話をする場面が舞台のオリジナルパートとして存在します。
8場。彼の穴に入った二人が「彼」も「ボク」と同じなのだと察す場面で渡部くんが「彼も仲間を失ったのかもしれない」と自分にとってのマイケルが彼にもいるのではないかと考えたときに、「ボク」の穴にいるはずの「彼」、塚田くんが「それは違うわ」と否定の言葉を釘刺します。残虐卑劣なモンスターだと思っていた相手が自分と同じ人間であることがわかった、「彼」と「ボク」は同じ「人間」だった。けれど「個人」にまで細分化されると、人と人とは必ずしも同じ括りに入るとは限らない。むしろ二人は全く別の「個人」だった。
遠い距離から見た彼とボクは違う生き物なのだと思えば、存外近しい存在であり、けれど近づいてみると全く別の人間であることがわかる。ちょっとずつの機微な摩擦が、この作品の生々しさを積み重ねているように感じました。近い業界で活動をしてきた二人は、けれど決してお互いがぴったり重なり合うことはない。アイドルと、俳優。そしてそんな二人の内側を役に抽出し、作品としてのおもしろさに繋げたノゾエさん。私の中心は塚田くん、けれど劇は二人芝居、そしてそれを作っているのはノゾエさん。
ピントを絞ったり広げたりして、いろんな視点から、自分の好きな視野から作品を楽しめる、本当に素敵な作品でした。
パルコ劇場の歴史の長さに比べたら、私がこの劇場に触れた時間は最後のひと握りでしかないけれど、最後のひと握りに間に合えたこと。ノゾエさん、渡部くんという、塚田くんを通して出会えた人達。この舞台に関わるすべて、塚田くんが連れて来てくれたことで見れた景色であること、本当に感謝しています。
ノゾエさんも渡部くんも、次の仕事がもう決まっていて、塚田くんもまさか千秋楽の朝にSASUKEのリベンジを果たす*2という、ただでは終わらせない衝撃の一発を最後の最後に食らわせてくれちゃって、本当に面白い人だなあと、塚田くんのファンになってから感心しっぱなしです。
多分また、割と近い未来に、塚田くんはまた、パルコ劇場のステージに立つんだろうな。って、なんの根拠もないけど、そんな風に思えた。そう思わせてくれた瞬間があっただけで、幸せ者だなあ私は。ありがとうね、塚田くん。
イットランズの記事の最後にこんなこと書いてたんですけど、塚田くん、本当にもう一度、パルコ劇場に連れて来てくれちゃいました、「初主演」という大きな看板も一緒に。びっくりですよ、ほんっとーに!!!!
上演が終わっても三人の仕事は終わらなくて、なんなら塚田くんは期間中に次の仕事を大々的にぶち込んでくれて(笑)、いろんな意味で思い出深い作品になりました。
千秋楽は仕事で観に行けなかったんですけど、感傷に浸る隙なく不意に横からSASUKEで殴られたので、全然センチメンタルになりきれてないです!!!(笑)でもそれが塚田くんらしいなあって思います。いやー、本当に、楽しかった。あっという間の約2ヶ月でした。何回も同じこと言っちゃうくらいに、楽しかったです。
舞台の機会を設けてくださったパルコ劇場、愛ある演出と演劇の素晴らしさを今一度教えてくださったノゾエさん、最初から最後まで真面目な人柄だったのにラジオでDARKNESSを流してくれた渡部くん、いつだって予想以上に予想外に楽しませてくれる塚田くん、関わってくださった全てのみなさんに感謝です!ありがとうございました!!
*1:ノゾエさんのインタビュー記事参照。
*2:千秋楽当日がSASUKEの収録日でした。舞台が始まる前は「楽日とかぶっちゃったから今年は参加出来ないね、残念だね」と思っていたら、朝にSASUKEってから公演期間中唯一の1日2公演をやりきった塚田くん。つよすぎ。
今更Johnnys' Wolrdのはなし
年末年始の時期に、日比谷・帝国劇場に足を運ぶ習慣が根付いてきているなんて、ジャニオタ・えび担をやっていなかったら一生なかっただろうなあ、と思いながら今年も行ってきました、Johnnys' Wolrd。*1
どちらもかなりの新米ですが、えび担かつ錦織さんファンの自分にとって、昨年の新春JW以上のJWなんてこの世に存在しないに違いない!!と床に寝そべって大の字になって駄々を捏ねていた秋口、いざ幕が開いて観劇してみれば、今年のJWもとっても楽しかったです!!!
私は初演JWを観劇していないので、13年トニトニから、昨年新春、そして昨年今年のJWと、JW歴三年目です。薮P・桐山P、錦織P、そして今年は内P。
P役が若手から大ベテランになった新春JWを経て、いま一度若手、というか、中堅処にプロデューサーの年齢が若返りました。JWにおいてプロデューサーとえびの関係は、物語の見方に大きく変動してくる、ということを今年で学びました。
今年のJWが個人的にすごく見やすい、というか、今までにない場所への着地点を見つけられたので、せっかくなのでまとめて置こう!と思いこの記事を書いております。
プロデューサーとA.B.C-Z
JWにおけるA.B.C-Zの立ち位置は「プロデューサーの一番の理解者」です。それはえびの登場シーンで明確に台詞として表されていて、トニトニ、新春、そして今年とその立ち位置は変わっていません。
トニトニ薮Pは、今となっては一番若手になりましたね。トニトニではえびも「理解者」と台詞にはありましたが、薮Pに反発の念を抱いているような台詞があり、振り返ってみれば今程Pに寄り添う関係ではないように思えます。「薮P=完全なる孤高の人」という印象です。
新春JWの錦織P。A.B.C-Zの舞台において少年隊の存在は欠かせません。ABC座は少年隊PLAY ZONEの系譜だと私は思っています。言うてしまえばA.B.C-Zの大本である少年隊の錦織さんが演じるプロデーューサーの傘下にA.B.C-Zが着くというのは、納得しかない構図です。錦織さんは事務所内でも舞台上でも飛びぬけてキャリアの深い方なので、ジャニーさんの影も投影しやすく、新春JWで私は「プロデューサー=ジャニーさん」が明確にイコールで結ばれて見えるようになりました。
そして今年の、内P。薮くんより大人で、錦織さんより若い。薮くん以上錦織さん未満の経歴を持つ、今までのPの真ん中にいるのが私の中の内Pの立ち位置です。
今年の内Pも「SHOW MUST GO ON」の精神は健在で、勝利が事故に合ってもショーを続けることを命令します。そんなPを「狂気の人」と二人が呼んでいるのも例年通りなのですが、内Pは今までのPよりも人間らしさが残っています。今年の内Pは「健人と勝利が自分の気持ちをわかってくれない」ことに悩んでいたのです。
「ショーでは観客を全力で楽しませなければいけない」
「日常では見られない華やかな世界をショーでみせるのが使命」
「狂っていて何が悪い。そんな狂っている俺の頭の中からショーは作られている」
内Pの台詞は孤高の薮Pともベテランの錦織Pとも違う、まだ何処か迷いがある。ショーのためにすべてを犠牲にしきれていない、人間臭い葛藤を内Pに感じました。
A.B.C-Zと内P
今回もA.B.C-ZはPの一番の理解者であり、Pの頭の中にあるショーの世界を、観客とPとを誘ってくれる暦の案内人です。
先にも書きましたが、内Pには、自分のつくるショーやその在り方を、プレーヤーである健人と勝利にも理解して欲しい、という人間的な感情のブレを感じました。*2
これは観客の前で披露されている現実世界のショーなのか、内Pの頭の中の世界に健人と勝利が巻き込まれた世界にあるのか段々わからなくなってきて、気づけば12月、完全にショーの世界に取り込まれた健人が勝利に向かって刃を向けます。
12月。そんな2人を高みから冷えた表情で見降ろす内PとA.B.C-Z。今年のえびは12月の戦争には参加せず、内Pと共に静観する側に回っています。私はそれが、「A.B.C-Zもプロデューサー側の人間」であることを意味し、内Pの一番の理解者であり時の旅人であるA.B.C-Zは「ショービジネスの世界に憑りつかれてしまった亡霊」のように思えました。
ここで思い出されるのは堂本光一くんの舞台「SHOCK」です。死んで尚ステージの上で踊り続けたコウイチ。内PとA.B.C-Zも、死の描写こそなかったけれど、そちら側の世界へ辿り着いてしまったように私には感じました。しかも、完全に「人間側」である健人と勝利に対する葛藤を抱えたままの内Pを「そちら側」へ手引きをしたのは、他の誰でもない、A.B.C-Zです。
今年のJWのA.B.C-Zは、内Pの一番の理解者でありながらも、内Pより高みの世界、「ショービジネスの世界に憑りつかれた亡霊」です。これが!ジャニーさんの中のA.B.C-Zの位置づけなのだとしたら!!恐ろしい、そして、途轍もなく美しいです。
トニトニでは滝の決壊に呑まれて、新春JWでは勝利を助けて死んだPが、今年は死にません。でも、死なずして内Pは亡霊になったのです。
劇最後、地球へ帰る勝利と健人に対して、内Pは自分は地球へは帰らないことを伝えます。勝利が内に向けて「あなた“も”時の旅人になるんですね」、そしてジェシーは「宇宙はいいところだけど、此処は俺たちの故郷じゃない」と言います。
最初から時の旅人だったA.B.C-Z、自らの意思で時の旅人になることを選んだ内P。内Pがこれから行こうとする世界で、既にそこの住人であったA.B.C-Z。A.B.C-Zはプロデューサーの一番の理解者であったと同時に、プロデューサーを「宇宙=ショービジネスの亡霊世界」へと誘う存在だったのです。
おじいちゃんに既に連れて行かれてしまっていたえびちゃん…地球が故郷じゃなくなっていたえびちゃん…そこに内くんを連れて行くえびちゃん…。今年のJWは、Pが完全に人間ではなくなってしまう物語、そしてその先を行くえびちゃん、というところに着地しました、ありがとうございました…
— 現場メモ (@_akintbre) 2016年1月20日
JW期間中に発売された雑誌で、河合くんが非常に興味深い話をしていました。「内PはSHOCKのウチと同じ世界線にいる」、という解釈です。これは河合くん個人の解釈で、ジャニーさんに特別何か言われたわけではないようなのですが、さすがジャニオタ河合くんです。この解釈、最高すぎます!
内PをSHOCKのウチとして考えると、元プレーヤーである内が、時を経てPの立場になったとしたら。それはつまり、SHOCKのコウイチと同じ立場。内Pが口にする「SHOW MUST GO ON」、事故が起きても怪我人が出ても、「幕が開いたらSHOWを続けなければならない」という強い思念。時には人の感情を無視した残酷にもなりうるその理念に対して納得がいかない。
トニトニ薮P・新春錦織Pにもなかった「健人と勝利が気持ちをわかってくれない」ことに対する葛藤が内Pにあったのは、コウイチの無茶な要求に振り回された過去を持つウチが、勝利たちの立場にかつての自分を重ねていたからではないでしょうか。*3
ジャニーさんの造る世界、「Johnnys' Wolrd」
JWのプロデューサー=ジャニーさん、と直接イコールで結んでも過言ではないかと思います。舞台のタイトルが「Johnnys' Wolrd」であるように、私はこの舞台を、演劇やショーを見るというより、まさに文字通り、「ジャニーさんの造る世界を知る」という気持ちで楽しんでおります。
そう至った経緯としては、過去記事にも書いたように、ジャニーさんがA.B.C-Zを特別な存在として扱っているところ。そして2015年元日に放送された、蜷川幸雄さんとジャニーさんの対談をラジオで聞いたことが、自分の中でJWの見方を大きく変えた出来事だったと、自分ではそのように思っています。
私は舞台作品を観るようになったのはえびがきっかけなので、「舞台とえび」の往復運動は、どの作品を見るにあたっても切っても切り離せない二つ並びの大事な要素です。
JWの根幹は、ストーリーも役者も台詞も、全部がジャニーさんからの個人的なメッセージ。あらゆるジャニーズ舞台に立ち続けてきたえび、今は一人で舞台に出続ける内P、夢や希望や未来を持ったけんしょりすのすとキング、若手の子達。個人の意思がショーとして認められている舞台が、JWなのかな〜〜
— 現場メモ (@_akintbre) 2016, 1月 20
ドリボ、SHOCK、滝沢舞台、少年たちも勿論元はジャニーさんの世界だけど、作品独自のストーリーやステージ性、日本の伝統を魅せるなど、それぞれの役割がもうある。だから、物語やエンタメ性の優先順位を少し下げて、より純度の高いジャニーさんのメッセージを込められる場所、が、JW。
— 現場メモ (@_akintbre) 2016, 1月 20
ジャニーさんという一人の人間が作り続けてきた舞台や作品が、物語の形や塗る色の濃さを変えて外に発信され、濾過抽出して尚残っていたもの。ジャニーさんの頭の中をなるべくそのままの形で取り出すことを優先した舞台はそれだけでもうエンタメとして確立している、と見なされている。それがJW。
— 現場メモ (@_akintbre) 2016, 1月 20
ゆうてしまえばどうみたって子供でしかない子達が帝国劇場のステージに上がれてるのは、あれがジャニーさんの世界だからで、顔も体も心も未完成な子達が今のままの技術や見た目すらも価値、ショーとしてのひとつと捉えられている、ってすごい話だよな〜〜未完成さもそこからの成長も、演出の一つ。
— 現場メモ (@_akintbre) 2016, 1月 20
今年のJWで印象的だったのは、ジャニーズ舞台によく用いられるシェイクスピアの引用がなかったことです。*4ジャニーさん本人が伝えたい言葉を、ジャニーさんの言葉で、演者が口にする。その伝えたいことが今年は例年以上に直接的に綴られていたことが印象的です。
内くん、Sexy zoneの健人と勝利、A.B.C-Z、Mr.King―――ジャニーさんの秘蔵っ子たち。今年は更に幼いジュニアも数多く参加して、新しくグループ名もついて、JW=ジャニーさんの世界という図式が一層強調された演目だったと思います。
新春JWでは錦織Pから直接鍵を渡された勝利、今年のJWで内Pの考えに賛同出来ないといいつつショーの魔物に取り憑かれて勝利に刃を向けた健人。ジャニーズ舞台の代表であるSHOCKの世界とJWの世界の糸を紡いだ内くん。出番や番手は一番ではないけれど、プロデューサーの一番の理解者という立ち位置で毎年出続けているA.B.C-Z。帝国劇場という歴史ある舞台に立つには幼すぎるちびジュニアたちは、明るい未来の象徴であり、未来に賛歌を送るジャニーさんからの平和を願うメッセージです。
舞台期間中にはシーンの追加がありました。その追加シーンにはA.B.C-Z個々に役割を与えられています。
倒壊した家の下敷きになった兄・戸塚くん、神風特攻隊・橋本くん、米兵に立ち向かった兵士・塚田くん。
「贅沢は敵だ、御国の為に全てを差し出せ。砲弾が足りない、家中の金物を工場へ運ベ。食糧は前線の兵士達に送るのだ。学生諸君へ告ぐ。制服を脱ぎ、今すぐ軍服に着替えろ。良いか、何があろうと、敵から祖国を守るのだ。」
マントのような衣装に身を包み、地球儀を手にした河合くんは同じような出で立ちのたくさんのJrの真ん中に佇んでおり、上に書いた米兵に立ち向かう塚田くんに発破をかけるかのような台詞を喋る様は戦争を統べる者、とでもいうのでしょうか。
そして突然現れる宙に吊るされた五関くんの「戦争はあってはならない」といういつになく直接的な訴えを以って戦争パートは終了し、次のオリンピックパートへ繋がります。
暦を旅しつつ内Pが作るショーが展開されていく。2月、早替えと太鼓を叩き終え、一番最後の布を取って暗転、3月へ。ここちょっと曖昧なんだけど、えびが着ていた衣装って12月に着ていた衣装と同じ?だとしたら、えびはショーの開始と共に演者に戻り、2月の終わりと共にまた「時の旅人」に戻った。
— 現場メモ (@_akintbre) 2016年1月20日
暦の旅では、4月タイタニックに戸五、5月ヒンデンブルグに橋塚、7月8月戦争で河五。メンバー個々均等に見せ場があった所に、戦争追加シーンで改めて5人がこの2ヶ月に集まってる。瓦礫の下敷き戸、特攻隊橋、米兵に立ち向かう塚。それを統べるかのように地球儀を持つ河、戦争を終わらす五。
— 現場メモ (@_akintbre) 2016年1月20日
戦争体験者のジャニーさんが「戦争はあってはならない」という旨を生々しい描写と共にショーとしても台詞としてもこの場面で描いている。追加してでも入れたかったってことは相当思い入れがあるんだろうし、その台詞を全てえびちゃんが言う、っていう〜〜ね?!なんかすごいすごかったここ
— 現場メモ (@_akintbre) 2016年1月20日
2月の終わりに時の旅人に戻り、7月8月で戦争の悲惨さをとき、戦争からの復興シーンけんしょり以下若手やチビジュが担ってる。そして2020年東京五輪、でまたえびが出てくるのがよお〜〜〜!復興は若い者が、と任せたのかと思ったら、えびは!出てきます!東京五輪にえびは必要です!!
— 現場メモ (@_akintbre) 2016年1月20日
えびちゃんたちの出番は確かに少ないんですけど、JWにおけるA.B.C-Zの重要さとその地位は年々上がっているように感じます。
今年はついに内Pが台詞で「俺の理想のショーは少年隊」と明確に断言していましたが、昨年錦織さんの後ろで踊ったのも、今年内Pと一緒に隊メドレーを踊ったのもA.B.C-Zです。
昨年は大ベテラン・錦織Pの直属の傘下にいたA.B.C-Zは、中堅・内Pを上へと引っ張り上げる存在でした。
ショービジネス界の亡霊度合いは、錦織P>SHOCK・コウイチ>A.B.C-Z||宇宙と地球の壁||>内P>健人・勝利他Jrたち、という認識です。錦織Pとコウイチは株式会社・時の旅人に所属するA.B.C-Zの上司に当たる人だと思う。そこに内Pを中途採用でヘッドハンティングしたんじゃないかな。
えびちゃんはつまり若手の最前線にはいないけれど、ショーを作り、子供達を明るい未来に牽引する使命を託されており、ジャニーさんの描くショーという「平和の象徴」にえびちゃんは必要不可欠な存在、という復習を今年も帝劇の座席で学ばされました2016
— 現場メモ (@_akintbre) 2016年1月20日
出番の多さではおいしくないのでしょうが、JWというジャニーさんの色が存分に発揮されるこの舞台においてのA.B.C-Zの使われ方は、個人的には申し分なく大満足です。
今年のJWでプロデューサーによって演者の関係性や立ち位置がちょっとずつ変わっていくことを知れたので、来年のプロデューサーは誰かなぁと今から楽しみです。いつからA.B.C-Zからプロデューサー役が出てもいいのでは?順当にいくなら戸塚Pか河合Pでしょうが、橋本Pがおにい四人を従える図も見てみたいな~~~!!夢が膨らみます!!!
ジャニーさんの魂が純度高く注がれているJohnnys' Wolrdという舞台が今後どうなっていくのか、これからも楽しみにしています!
*1:最初にこの記事を書き始めたのが2月のことだったのでかなり時差のある書き出しになってしまいました…^O^
*2:「今年はJWに内くんが初めて参加するから、改めてどういうストーリーなのか、新鮮な質問をされたので刺激になった」とJW関連の記事にえびのメンバーが答えていました。今までの公演に参加してきた人が内くんに教えたように、内Pも演者へ教えわからせたかったのだと思うと、現実と物語が繋がって感じられてドキドキします。ジャニーズ舞台っぽい!
*3:そして毎年恒例の見学に来た光一くんが今年はOPで内Pにだっこされてフライングしたと聞いて、SHOCKのコウイチがPになったウチに抱かれてフライングしてるーーー!!!とあまりのエモさに卒倒するかとおもいました…見たかった……。
*4:昨年もそうだったのかもしれないけど、昨年は公演期間が1か月と短すぎて、きちんと租借する時間がなくてあまり覚えてないのです…^o^残しておけばよかった~~~